摩訶不思議な植物達とは?

 皆さん、お元気ですか。蒸し暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。
 今年の夏休みはどのような計画でしょうか。今日はちょっと変わった植物のお話をしようと思います。先日、「先生、珍しい植物が元気に育っていますから見にいらっしゃいませんか。」とのお誘いに甘えて、紅葉寺で有名な京都小倉山の中腹に位置する常寂光寺にお邪魔しました。
 着いた私を迎えてくれたのは水を敷いた植木鉢で元気に育っている食虫植物「サラセニア」でした。最近は、花屋さんでも何種類かの「サラセニア」が売られており、私も購入したばかりです。皆さんはご覧になったことはありますか。

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 このサラセニアは、筒状の葉を持ち、それを落とし穴として虫を捕らえる食虫植物です。和名は「ヘイシソウ」と言うそうです。葉が筒になっているのが酒器の瓶子(へいし)に似ているところから付いているようです。この筒状になって根元に行くほど細くなっていく蓋の裏面には、下向きの毛が密生し、いったん入った虫が滑り落ちやすく、脱出しにくい地獄のような仕掛けになっているのです。怖いですね。
 サラセニアと同じように、捕虫方式の植物にウツボカズラという食虫植物があります。虫が袋状の筒を蔓の先端から幾つもぶら下げたウツボカズラのつぼの中の甘い匂いに誘われて入ってしまったら最後、出られなくなって溶かされて、植物本体に栄養として吸収されてしまう。この植物は、昨年パラオ諸島に調査で行った時、普通の道ばたの、あちらこちらで見受けられてビックリしました。

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 ところで、食虫植物にはこのようなドロップ式の罠を仕掛けて落ちて来た昆虫を捕らえる方法と全く違う方法で虫を捕まえて食べているものがあります。それは粘液でくっつけて、やがて溶かしてたべてしまうという摩訶強烈な食べ方をする植物です。
 私が中学生の頃、新潟の新発田市の奥に東赤谷鉄鉱山跡があり、先生とよくそこまで植物や昆虫の調査に出かけていました。その道すがら幾つかの隧道(ずいどう)が残っていて半分壊れかけています。その中を通って植物を調べていた時のことです。清水が湧き出ていてその周り一面にミズゴケが繁茂していました。

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 「これは家の植物に使える」と、採集して胴ラン(植物採集をした時にいれるブリキで出来た入れ物)に入れ始めた時のことです。水苔の上に、平なほぼ円形の小さな葉をつけた植物が密生していました。その葉の表面には赤い色をした細い毛があり、その先にはネバネバした液が着いていて、よく見ると、小さなアリやコバエがそれにくっついてもがいているのです。葉の内側に生えている無数のネバネバ液をつけた毛がそれを包むように葉っぱ全体でグニューと曲がり、虫を食べていたのです。「すごい!本当に食べている。」感激!驚き!不思議!ビックリ!、これが私が食虫植物との初めての出会いであり感想でした。皆さんもどこかで機会があれば見てみてください。きっと感激しますよ。
 きっと今もあの鉱山跡の清水の湧き出ている場所には、人知れず虫を食べて生きているのではと食虫植物を見るたびに思い出します。

2016年7月22日 18:35 | | コメントを読む (0) | コメントを書く