青梅に隠された秘密

みなさんこんにちは。お元気ですか。
あちらこちらで梅の花の便りを聞くようになりましたが、皆さんの周りではいかがですか。
今日はこの梅のお話です。

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梅の花の鑑賞は古くは751年の記録に、貴族の遊びとしてもてはやされたとありますから、日本人とは長い付き合いの歴史があります。
また梅花(ばいか)鑑賞にとどまらず、梅干し、梅酒、とその実を食用にする美味しい付き合いもあり、梅と日本人は切っても切れぬ関係になっています。
こんなに付き合いの古い梅ですが、じつは中国の特産なんです。
中国を手本として文化を吸収してきた当時の日本人が、中国の遊び方を物まねする習慣を取り入れようと、最初は一種か二種くらいが日本に持ち込まれたようです。

やがてそれが「雅(みやび)さ」を遊ぶブームを生んで多くの人々に
梅花鑑賞の文化的習慣が広がり、江戸時代には一重の梅から八重の梅、
白い梅から赤い梅、大きい梅の実から小粒の梅の実を結実するものなど、
4百種から5百種もの様々な梅に品種改良され今日に至っているのです。
寒さがややほころび始めた頃に咲く梅花鑑賞は、千年以上の月日を経て築いて来た
中国生まれの日本文化とでもいえますね。 

ところで話はこれで終わりません。
この梅の花が終わると青い梅の実がたくさんなりますね。
今度じっくりとこの実を見てみて下さい。
上下に一筋の溝が付いていることに気づきます。
これは何だと思いますか。
じつは刻まれたこの筋には梅の進化の歴史が刻まれているんです。

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植物は茎と葉と花がありますが、茎からより多くの日光を吸収しようと
葉が出来上がってきました。
一本の茎にまとまって葉が付いている状態を私たちは「シュート」と言っています。
ここからが凄いんです。
このシュートのてっぺんに付いていた葉がやがて、めしべになったり、
おしべになったり、多くの虫を呼び寄せたりする花びら(花弁)になったりしました。
葉のてっぺんに出来た種はこの段階では動物に食べられたり寒さで傷ついたりして
裸で危険な訳です。
そこで驚くことにその種(梅の種)を守ろうと周りの厚くなった一枚の葉が
優しく種を包み始めたのです。
そっと包んだ葉の結び目が梅の実の筋なんです。
私たちはこの優しく包んだ葉を梅の果肉として食べている訳です。

あの梅の実の筋は、植物が茎から葉へ、葉から花へと進化した
何千年というプロセスの痕跡なのです。
葉が子孫を守ろうとがんばった愛情の痕跡を、ぜひ観察してみて下さいね。

2008年2月20日 09:54 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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