ムササビの尻尾の大切な働き

皆さんこんにちは。連休はいかがお過ごしでしたか。
私は東京の奥座敷とも呼ばれている檜原村にある「フジの森」と呼ばれる研修施設で
学生と一緒に過ごしました。
今日はそのとき発見した山の愛嬌者「ムササビ」のお話です。

Musasabi1.jpg

ムササビは首・前肢・後肢・尾の間に膜があってこの膜を広げることでグライダーのように滑空し、樹から樹へと飛び移ることができます。
通称「空飛ぶ座布団」とも言われている体長40cmくらいのかわいい日本固有の動物なんです。
リスの仲間でもあるんですよ。

この「フジの森」の裏山を野鳥観察指導員の方と歩いていた時なのですが、古い大きな杉の木の中程にムササビが使っていると思われる樹洞(じゅどう)をいっぱい見つけました。
さっそく双眼鏡を使って覗いてみると樹洞入り口の樹皮の引っ掻き傷がまだ新しく、今も使用している事が分かります。
もしかしたら中にいて身を潜めながら私たちの声を聞いているかもしれません。

杉の木を上から下までじっくりと観ると、
大きく引っ掻いた痕が上下に無数についていました。
これはムササビが飛んできて、また滑空のために上に爪を立てて
頑張って登っていった痕だと分かりました。
資料を調べますと「160m程度の滑空が可能で、夜に行動する」
と書いてありましたから、木から木へと夜中に結構飛び回っているんですね。

今度は木の根元に近い方を観ると、樹皮が大胆に剥がされています。
これは巣の中に、ふかふかのベッドを作るために巣材として剥いでいった痕か、
あるいはムササビはほぼ完全な植物食らしく、
食用として杉の樹皮を食べた痕らしいとの事です。

以前桧原村の古い民宿に泊まったときの事なのですが、
今でも忘れられない光景があります。
その宿のご主人に「夕方から夜にかけて茅葺き屋根のてっぺんから
ムササビが飛び出しますから、見学しませんか」と誘いを受けました。

Musasabi2.jpg

早速日が暮れて暗くなった頃、懐中電灯片手にムササビの飛び出してきそうなあたりを照らしていると、かわいい顔が見えました。
今にも餌を求めて屋根から木へと飛び移って滑空を開始しそうな勢いです。
数分後、さーっとムササビが飛膜を広げ屋根から飛び出しました。下から見ていると、私たちの頭の上に大きな座布団がドサーっと落ちてくるような感じになります。
「わ!」とおもわず声を上げると、地面すれすれに滑空し飛んでいくではありませんか。
しかもです。わずかしか離れていない木と木の間を器用に避けながら、ものすごい勢いで飛んでいくのです。

そのとき私は観たんです。
私の横を通過していくムササビの長いふさふさとした尻尾が、
右に左にクイックイッと曲がって舵を取って飛んでいたのです。
尻尾は滑空時には舵の役割を果たしていたんですね。
想像だにしなかったムササビの尻尾の働きに感激でした。
生活する上で尻尾がこんな貴重なものだとは。
機会があれば皆さんに、この瞬間を見せてあげたいですね。

ところで初めての紹介ですが、今まで挿絵で描いてくださっている動植物の絵は、
京都嵯峨芸術大学観光デザイン学科エコツーリズムデザインゼミ生の浦寛子さんによるものです。

2008年5月14日 09:57 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

面白い!!
ムササビはふさふさの体に真ん丸の大きな目でとてもかわいらしいですよね。

ただ気合で飛んでると思っていたら、ちゃんと操縦してフルスピードでだったんですね。

山椒は小粒でもピリリと辛い??

Posted by: rukko | 2012年11月30日 20:02


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