たろう君のワクワクドキドキ深海旅行

皆さんこんにちは。お元気ですか。
先週一冊の絵本が届きました。
この本を見ていて思い出したことがありました。
それは胸がドキドキするような体験をした昔の自分でした。

ある小雨の降る日、親の止めるのも聞かずに海岸にカニ捕りに出かけた時のことです。
棒でつついてカニをおびき出していると、今まで見た事も無いような
自分の想像を超えた生き物と出くわしたんです。
それは、小さなエビのようなミミズのような、
焦げ茶色をした5ミリくらいの大きさの奇妙な生き物でした。
海藻にくねくねと動きながらいっぱいくっついているのです。
なんでこん形をした生き物を神様はつくったのかと驚きでいっぱいでした。
その形は私の想像を遥かに超えていたんです。 

それ以来私は生物の世界の不思議さに心を惹かれ、
やがて仕事としてその世界に入って行きました。
この一冊の本はその時の驚きというか不思議さを呼び起こすものでした。
最近ではいっぱい生き物の本は出ていますが、私たちでは容易に想像できない
深海の生き物の世界を紹介した本はほとんどありません。

この本は海底6,500メートルまで潜れる海底探査船にのって
深海の生き物研究をやってきた研究者が、どうしても深海の不思議さ、素晴らしさ、
感動を伝えたいと作成したものです。

主人公のたろう君が、くじら号に乗ってやって来た乙姫様と一緒に旅をする物語です。
全く光の届かない深海で、どのように生き物たちが生活しているのかが
生き生きと描かれていています。
私は読みながら昔のようなワクワクドキドキの連続でした。
その生き物たちの形の奇妙さにまず驚きます。
大きな口を開けて笑っているようなオオグチボヤ、
針の固まりのようなオオイトヒキイワシ、深海でひっそりと咲いている
花のようなウミユリと聞いたこともない摩訶不思議な生き物たち、
なんでこんな形になっているんだろう、何を食べて生きているんだろうと
不思議さは増すばかりです。
ページをめくっていくと、突然白い石のようなものが
海底に並んでいる絵が出てきました。

Kujira1s.jpg

何だろうと読んでみると
「これはクジラの骨さ。クジラは死ぬと海の底に沈むんだ」
そして様々な生き物の餌となり
「クジラはこうして何年もほかの生き物を育てていくのね」
と乙姫様が教えてくれます。

その海底に沈み静かにたたずんでいる写真を見ると胸にジーンときます。
私たちの前では愛嬌をふりまくクジラ君が、人知れず海底で死んだ後も
ほかの生き物を育てているなんて、少し涙目になりました。

Kujira2s.jpg

いよいよ深海の旅も終わり上昇を始めたそのときです。クジラ君と大きなイカの生きる為の戦いが出現します。
優しいクジラ君から一転して生きる為に自分と同じ位の大きなイカを、歯を剥き出しにして食べようとするクジラ君。どちらも生きるクジラ君の姿です。

やがて、くじら号は宇宙にまで飛び上がり宝石のように青く輝く地球を眺めます。

「この宝石みたいな海にすむことにしたの」と乙姫様が語ると
「ここから見ると、ちきゅうってきれいな海の星なんだなあ。
 あの大きな海の下には、まだぼくの知らない世界が広がっているんだ」とたろう君。

そして「海のことを思い出した時に開けてみて」と『秘密の玉手箱』をもらいます。
そうです、大人になっても『不思議さに感動できる心』の入った玉手箱です。

この本は佐藤孝子さんという海洋研究開発機構に勤めるお母さん深海研究者が
子どもたちにと書いた『くじら号のちきゅう大ぼうけん』という本です。
是非一度皆さんもお子さんと一緒に読んでみてください。
一緒にワクワクドキドキして、きっと生き物の世界の不思議さを
感じる気持ちが宿りますよ。

2008年6月11日 09:38 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

素敵なお話ですね。
とっても興味があります。
姪たちと一緒にわくわくドキドキしたいです。

Posted by: ひろみ | 2008年6月20日 15:18