仲間を守る日本ミツバチの戦い

皆さん、私のいる檜原村では毎日午後3時頃になると決まって入道雲が出て、
雷を伴った激しいにわか雨が降って暗くなります。
でも雨のあがった後のみずみずしい緑色の木々の葉が太陽に照らされて、
美しい景色にかわります。
今日はこの暑い夏の日差しの中でも一生懸命働き続けるミツバチのお話です。

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日本には昔から生息する体長1cm前後の日本ミツバチと、明治以降に西洋から導入された体長1.5cm前後の大型の西洋ミツバチの2種類が生息していていますが、実はこの美味しい蜂蜜を狙うものがいるのです。
集団攻撃で襲いかかり皆殺しにして巣全体を根こそぎ自分たちのものにしようとする体調4cmもある「ならず者」、その名をオオスズメバチといいます。
この蜂の毒はコブラの毒より強いといわれ、人間も殺すほどです。彼らはこの強力な敵に対して幾多の戦いの教訓から生き延びる為の知恵を身につける事に成功したのです。

夏のある日のことです。
偶然、山中でその戦いの場に出会いました。
山の斜面の木の切り株に日本ミツバチが数匹出入りできるほどの穴が空いていました。
よく見ると盛んに出入りしています。
そこにこの巣を見つけたオオスズメバチが仲間を呼び集め攻撃をしかけてきたのです。
てんやわんやの大騒ぎになりました。
西洋ミツバチの場合は、勇敢に一斉に飛んでいってオオスズメバチへの
迎撃をするのですが、この日本ミツバチはなんと、オオスズメバチが迫ってきた事を
知った時、なんとあわてて巣の中へと逃げ込んでしまったのです。

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ここからが凄いんです。
突然、巣穴から15匹の勇敢な日本ミツバチが出てきて入り口を陣取りました。
入り口の一番上に5匹が並び、その列のすぐ下に4匹が並び、その列のすぐ下に3匹が、その下に2匹、その下に1匹と並んで逆三角形の隊列を形成したのです。
そして巣穴に入ろうとするオオスズメバチを前に一斉に羽を動かしてブーン、ブーン、ブーンとものすごい音を鳴らし始めました。
その音の凄い事!

びっくりしたオオスズメバチはなかなか巣に近づけませんが、
日本ミツバチの羽音が小さくなった瞬間を狙って一番下の一匹に襲いかかりました。
あっという間もなく無惨に咬み殺され持ち去られます。
でもその瞬間、日本ミツバチは上に並んでいた一匹が順々に降りてきてその場所を埋め、
またもとの陣形を作ります。
短期決戦を挑む敵に対して持久戦に持ち込む日本ミツバチ。
体は小さいが団結力を持って立ち向かえば、大きな敵でも大丈夫である事を
長い戦いの歴史の中で学んだのでしょう。
さらに、間違って巣の中に入れてしまったオオスズメバチはどうなるかというと、
巣の中では、たちまち数百匹の日本ミツバチが取り付き、羽を動かすときに出る発熱で
一気に包み込んで蒸し殺しているのです。
包み込まれたときの温度は45度前後といわれています。
そして数時間後、戦いを最小限の仲間の犠牲ですませ大切な巣を守りきったのです。

小さな日本ミツバチたちが長い歴史の中で学んできた生きる為の教訓、
それは自分たちの体に合った自分たちの戦い方でした。
みなさんは日本ミツバチの戦い方を西洋ミツバチの戦い方と比べてみたとき、
その生き方にどのような感想をお持ちになられるでしょうか。

2008年8月20日 09:44 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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