不思議な島のダイトウオオコウモリ

皆さん、子どもたちの大好きな夏休み、どこかに行かれましたか。
今日は毎年訪れる不思議な島の生き物のお話です。

その場所の名前は「南大東島(みなみだいとうじま)」と言います。
この島は沖縄から太平洋の東に向かって450km行ったところにある南海の孤島です。
この島には現在約1,400人が住んでいますが、今から108年前、
無人島だったこの島に伊豆七島の一つ、八丈島から23人がサトウキビ開拓民として
上陸し今日に至ったものです。
でも皆さん! どこかでこの島の名前を聞いたことはありませんか。
そうです。日本で一番最初に台風の通過する地域になっており、
台風予報があるとき必ずと言ってよいほどこの島の名前が天気予報で出てくる
おなじみの島なのですが、意外とどんな島か知られていません。

実はこの島は他と違った特徴を持っています。
まずこの島は「ひょっこりひょうたん島」のように日々動いているのです。
4,500万年前、赤道直下のパプアニューギニアの海底で生まれ、
その後フィリッピンプレートに乗って一年に7cmずつ沖縄に向かって進んでいるのです。
1,500mの海底から柱のように、にょっきり伸びていて、わずかに海上に突き出た
30mの断崖絶壁に囲まれた陸部に人が住んでいるのです。
台風時には波があたって島が揺れ、本当にすごいですよ。

Bat1.jpg

さて今日の本題です。
この南海の孤島に珍しい哺乳類が生息しています。
その名をダイトウオオコウモリと言います。
コウモリというとあの鼻のつぶれた様な顔をして、電波を出して夕方飛び回り、
昆虫を食べたり、動物の血さえ吸うというあまり好ましくないイメージがありますが、
このオオコウモリは全く違います。
英語名は「フライングフォックス(空飛ぶ狐)」と呼ばれたり、
「フルーツバット(果物コウモリ)」と呼ばれたりして主食は果物や植物なんです。
顔も目鼻立ちのしっかりした狐に似た顔をしていてとてもかわいい動物です。
このダイトウオオコウモリは体長は20cmぐらいですが、
翼を広げると50cm以上になり、おなかの毛は茶色をしていますが、
首から胸にかけては黄金色のわっか模様をして奇麗でとても目立ちます。
昼間はビロウやモクマオウといった木々の枝などに数十匹がぶらさがって寝ていますが、
夕方になると餌を探して木から木へと飛び回り、フクギやガジュマル、バナナ、パパピヤ
などの実を好んで食べます。
6月頃には子どもを抱いたダイトウオオコウモリを見ることもできますよ。
夜散歩に神社に行ったり、小中学校の校庭に行くとキキー、キッキ、
と鳴きながら飛び回り果物を食べている姿を見ることができます。

Bat2.jpg

今、島ではこのコウモリをみんなで守っていこうと約200人の小中学生が中心となって観察会を行ったり食べるものの少ない時期の餌場を確保しようと、実のなる木の植樹運動を行ったりして「オオコウモリの森作り」を行っています。
この島では高校生になると、親元を離れて沖縄本島に行かなくてはなりません。
でもこのオオコウモリが島の子どもたちの自慢です。
本島に行っても「あんたの島、どんな島さ?」と聞かれると臆することなく、島出身の子どもたちは「ダイトウオオコウモリのいる4,500万年前からある島さ」と自慢して、夏休みには友達を連れて帰ってくるようになっているそうです。
私のゼミの学生がポスターを島の為に制作しました。
そこにはこんな素敵なコピーが入っていました。

「他人なんて人はいない、島。」
「落っことしてきた心を拾いに帰ろう、南大東島へ」

皆さんも是非一度この不思議な島に行ってみてください。
素晴らしい心の発見があるかも。
この島の素晴らしい全景や学生のポスターは私のホームページにも
載っていますから見てくださいね。

2008年9月 3日 10:08 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


コメントを投稿する

ブログの管理者が公開を承認するまでコメントが反映されない場合がありますので、ご了承ください。 また、投稿されたコメントはフジテレビKIDSが企画・制作する映像物や出版物、ウェブサイト、広告宣伝などで利用させていただく場合がありますのであらかじめご了承 ください。