冬は母グマの子育て時期?

みなさん、いよいよ山には雪が降りましたね。
先日は本当に寒かったです。山の動物たちにとっても厳しい季節の到来です。
今日は一生懸命冬ごもりの準備に入っているクマさんのお話です。

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日本の本州には首の周りに白い月の輪の模様がついているツキノワグマとよばれるクマが棲んでいます。
秋になると「クマが人を襲った!」というニュースがよく流れるために、怖い肉食動物のようなイメージがありますが、実はツキノワグマはあまり肉は食べません。
動物質としてあげれば、アリやハチなどの昆虫類のみです。

むしろツキノワグマは結構美食家で、特に大好きなのが蜂蜜です。
遠くからでも匂いを嗅ぎ付けて飛んできて食べるほどの蜂蜜通なんです。
また夏にはヤマブドウ、キイチゴ、ミズナラ等の仲間、
秋にはドングリなどの実というように植物食が中心で、
冬眠中に多くのエネルギーが必要になるため、
クヌギやコナラなどの木々が多く生えている落葉広葉樹林を生活の場にしています。
秋から今頃までに、雪が積もり始める頃の冬眠に備えてドングリなどの木の実を
大量に食べて体に栄養をたっぷり蓄えます。

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ところでツキノワグマも冬眠をしますが、母グマは普通の動物と違った大切なことを冬眠中にするのです。
ツキノワグマは冬眠中に水や食物をとらないうえ、排泄・排尿を一切せず、エネルギーの消費を抑えるのですが、母グマは何と、妊娠、出産、授乳も冬眠中に行っているのです。
日本でその道の研究者として知られている私の友達がいるのですが、岩と巨木の重なった場所に造った巣穴で冬眠中のツキノワグマの写真を見せていただいたことがありますが、そこには生まれたばかりの小さな赤ちゃんグマが一緒に映っていました。
出産は雪が降り積もる1月頃で、1~3頭のとても小さな子ども(300g~400g)を出産し、冬眠明けまでに子の体重は10倍ほどになるそうです。

今度冬山に行く機会がもしあったら、降り積もった雪の下で、
密かに一生懸命子育てに育む母グマの姿を思い出してみてください。
じーっと耳を澄ませると可愛い赤ちゃんグマの声が
積もった雪の下から聞こえれ来るかもしれませんね。
 
ここで一言!「冬眠」と「冬ごもり」の違いを。
普通の動物は冬眠と言うと体温を下げ、体温を外の気温と同じくらいまで落とし、
一種の仮死状態にするのですが、ツキノワグマの場合は体温が通常の体温(37度)から
3度ほど下がるだけで、軽い眠りについているだけなのです。
ですから、ちょっとした邪魔が入ったり、誰かが巣穴に侵入しようものなら、
たちまち目が覚め動き回ります。
私の友人も音を立ててしまい危険な目にあったことが何度もあったと教えてくれました。
顔を引っ掻かれて命が危なかったこともあるとか。
このためクマさんには「冬眠」とは呼ばず、「冬ごもり」とも呼んでいるのです。

2008年12月10日 09:51 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

いつも楽しみにしています。自然界や動物達の知らなかった世界を教えてくださってありがとうございます。いつか本になることを願っています。

Posted by: がっちゃん | 2008年12月15日 01:19


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