頑張っている植物たちの「シェアリング」

皆さん京都ではスダジイやクスノキの若葉が茂り山が
一段と膨らんで見える季節となりました。
東北の方では今新芽が吹く頃でしょうか。

みんなで会社を維持していくために少なくなった仕事をお互いに時間で分け合って
会社を維持していこうとする仕組みを「ワークシェアリング」と呼んでいますが、
今日は生きる為にわずかな資源を分けあって頑張っている
植物たちの「シェアリング」お話です。

Kobanso.jpg

今、道ばたで日当りが良く、土がいつも乾いた環境となる場所にイネ科の植物「コバンソウ」と言う変わった形の穂をつけた植物を目にすることが出来ます。
皆さんは見たことがありますか。
この植物は、ヨーロッパ原産で明治の中頃に長崎に観賞用として持ち込まれましたが、逃げ出して百年以上かけて日本全国に雑草のように広がっていった帰化植物です。

帰化植物って良く聞きますが、実は、単に国外から入った植物の意味ではなく、人為的な手段で持ち込まれた植物のうちで、野外で勝手に生育するようになったものを指しているんですよ。


茎は草丈40~60cmで、茎の先についた糸状の細い柄に小判に似た穂を
いっぱい吊り下げています。
この穂の形があまりにも小判の形に似ていて、茎を振ってみると
「シャラシャラ」と音がするので、この穂の形を小判に見立てて
「コバンソウ」と名付けられたようです。
梅雨時に降ってくる雨を、地面の表面一杯に細い根を絨毯の様に張り巡らし
一滴でも無駄にしないように吸い取って成長します。
このコバンソウは6月の中旬頃になると稲穂と同様黄色くなって散っていきます。

Karasumugi.jpg

するとどうでしょう。
コバンソウの枯れたまったく同じ場所から、こんどはコバンソウより遥か昔にヨーロッパからやって来ていた「カラスムギ」と言う同じイネ科の植物が辺り一面に繁殖し始めます。
そしてコバンソウより遅れること1ヶ月半の7月には穂をいっぱい付け、8月にはやがて枯れていきます。
わずか1ヶ月半だけ成長をコバンソウより遅らせ、同じ場所の同じ環境を時期をずらしてお互いに使い合っているのです。

私たちはこのように生き物同士がむやみに生きる為に競争するのではなく、
一つの環境を時間をずらして生きていく仕方を「時間のニッチェ」と呼んでいます。
お互いの性格から生長に利用可能で、空いている環境の隙間を探して
共存していく姿を指しています。

Himekobanso.jpg

もう一つ、この同じ時期に、このコバンソウに遠慮するようにコバンソウの生えている場所からもう少し日当りが良く土の乾燥度合いの激しい場所に生えているヒメコバンソウというよく似た小型の植物も見ることが出来ます。穂はコバンソウの穂の3分の1から5分の1位でいっぱいついています。
このヒメコバンソウはカラスムギのように時間で生育することを分けるのではなく、土地の乾燥度合いで生育場所を分け合っています。このことを「空間のニッチェ」と呼んでいます。

なにげなく道ばたに生えている「雑草」でも、限られた少ない環境の中で、一生懸命お互い仲良く生きようと頑張っているんですね。
昨今の厳しい環境の中で私たちも生き方として見習わねばならないことが多いように思えます。

2009年5月27日 09:55 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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