初夏の香りは植物からのプロポーズ

みなさんこんにちは。
いよいよ本格的な梅雨入り。いかがお過ごしですか。
じめじめして毎日がうっとおしい感じですが、
いろんな生き物たちにとっては、チャンス到来。
待ちに待った子育ての季節です。
先日私の家の周りではツバメやカラスの子育て、
近くの森では狸の子育ても見られたりしてとても生命観が感じられます。
一方、植物達も子孫を残すために、様々な工夫や仕掛けをもった花を咲かせて
たくさんの種を作ろうと、受粉してくれる虫たちをおびきよせるために
日々悪戦苦闘している季節でもあるのです。
今日はそんな努力をしているある植物のお話です。

この季節はバラの花の香りに代表されるように実にすてきな花の香りを
数多く体験できる季節でもあります。
もともとこのような花や葉の香りは、動物や虫から食われたり、囓られたりするのを
防いだりする一方で、花粉を運んでくれる特定の虫や動物だけを招いて、
花粉を運ばせる役割を持っているのです。

Falcata.jpg

先週の半ば頃から私の家の前ではこの香りの野生植物の代表とも言われる「フウラン」と呼ばれるランの花が一斉に咲き始めました。

このフウランは今頃、関西より南の方の山地の大きな木の上などに着生してとても綺麗な白い花を数多く咲かせます。
しかし今日、その綺麗さが災いして乱獲によって野生のものの数が減り絶滅危惧種に指定されているほどです。 

でもご安心ください。
数多くのフウラン愛好家によって栽培下にあり数を増やしとても大切にされています。

実はこのフウランの花の魅力は、花の姿もさることながら、
強い甘い香りを放つことにあります。
夕方になるととても濃厚な甘い香りを漂わせます。
人によってはバニラに似た香りという人もいます。
ちなみに私たちがケーキ作り等に使うバニラもこのフウランと同じ
蘭科の植物なんですが知ってましたか。

甘い匂いがその風にのり、昆虫をおびきよせ
花粉を運んでもらう役割をはたしているんです。
その虫とは定かではありませんが夕方から夜になると活動する蛾の仲間だそうです。
夕方になると私の家の玄関前に置いてあるフウランの香りが
辺り一面に漂い通る人をびっくりさせています。
ある人の文章の中に「虫だけでなく人間をも惹き付けて株を増やしてもらうのも、
フウランの生存作戦のひとつなのでしょうか?」と書いてありましたが、
そうだとすれば本当に子孫を残すための努力家ですね。

夕方からしか香りが漂わないということを科学的に解明しようと
花の香りを採取、解析した研究者がいます。
その結果なのですが、昼間にはほとんど香りの成分が生成されないものの、
夜中には各種の香り成分が多量に検出され、
香りが高くなっていることがわかったそうです。
咲き始めたフウランの花は、昼間はほとんど香りがなく、
夕方から次第に香りを放ち始めます。
夜中に香りはピークを迎え、甘く、芳しい香りを出していることが
科学的に証明されたそうです。
夜遅くに、会議が終わって家に帰ってきた時、
玄関前がこの強い香りで漂っていてびっくりしたことがあります。

また、フウランは受粉が虫によって終わると、
急速に香りが消失していることもわかりました。
このことから、特定の夜行虫を引き寄せていることも明らかとなったそうです。

フウランの素敵な香りは愛する相手へのプロポーズだったなんてロマンチックですね。
でもそのロマンの裏には生きるためのしたたかな計算があったとは、
やっぱり綺麗な人は怖いですね!

2009年6月24日 09:42 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

昔友達に誘われて杉の木から採って来た花がフウランとは知らなかった

Posted by: AKI5959 | 2011年6月20日 00:41


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