昔からあった花束を贈る習慣

皆さんこんにちは。お元気ですか。
今週、私の教え子の結婚式があるのですが
お祝いにどんな花束をラッピングして手渡そうかと考えています。
皆さんならこの季節どんなお花をプレゼントされますか。
その昔、七夕のお節句に素敵なお花を贈っていたのですが、今日はそのお花のお話です。

今週始めから私の家の前では、何とも言えない発光色をともなった
真っ赤な花びらをつけたお花が鉢いっぱいに咲き始めました。
京都の猛烈に暑い炎天下のこの季節に合わせるかのように、
炎のような強烈な花が咲いています。
その花の名は「仙翁(センノウ)」と言います。
近年は絶滅したとみられていた幻の花でナデシコ科の多年草植物なんです。

Sennou.jpg

この花は室町時代に禅寺であった京都嵯峨仙翁寺に中国から持ち込まれ、茶花(ちゃばな)として栽培されてきました。
例えば国の重要文化財の「浜松図屏風(はままつずびょうぶ)」<室町時代>などの美術品や書物にも登場している程で、茶花や生け花、庭園などで珍重されてきた本当に高貴な植物だったのです。
江戸時代には品種改良されたものが出回っていたようですが、元々の原種は種がつかず、株分けや挿し木などでしか増殖できないため、いつからか途絶えてしまい、見ることができない花となってしまっていたようです。

特に室町時代の後期に京都嵯峨仙翁寺が廃寺となると同時に
行方不明になっていたのです。
しかし偶然にも1995年テレビで島根県の盆市(ぼんいち)に細々と生存していた
仙翁が並べられているところを映し出されたことから、
その生存が確認され、後に横浜の研究家がその苗を入手し、
全国8ヵ所に分けて増やすことに成功したのだそうです。
いま縁あってこの仙翁が京都の有名なお寺の友人から
京都の私の家に持ち込まれたものを、隣人でコーヒー屋さんを営む
栽培名人に委託して今年見事に開花したのです。

仙翁は、七月七日の七夕を真ん中にして、その前後にかけて花を咲かせます。
まさに七夕のために期をあわせて咲くので、「七夕」のことを「仙翁花の節」
などとも言われる程にもなっています。
とくに室町時代、もともと禅寺では花の贈答が行われ、
その時々の季節の花を贈ると言う習慣があったのですが、
七夕の節句は格別の意味をもつ日であったようです。
七夕に贈答される中心となる花がこの仙翁花だったようで、
室町時代の資料によれば「七夕の前夜になると翌日の七夕法楽に用いるため、
将軍の側近のところにはおびただしい数の仙翁花が集まり、
その夜の涼しいうちに、将軍府はじめ貴族のところへ仙翁花の贈答品が届けられた」
との記録も残っている程です。
当時この届けた花束は仙翁花を中心にして、
今日のフラウワー・アレンジメントのように、仙翁花に白菊と桔梗の花を少々配し、
緑と赤の二種の着色された大きな紙で包装をして御所に奉呈していたようです。
今のお花の包装より派手ですね。
意外と古くから日本には贈り物としてお花をラッピングして
贈る習慣があったなんて知ってましたか。

2009年7月 8日 09:43 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


コメントを投稿する

ブログの管理者が公開を承認するまでコメントが反映されない場合がありますので、ご了承ください。 また、投稿されたコメントはフジテレビKIDSが企画・制作する映像物や出版物、ウェブサイト、広告宣伝などで利用させていただく場合がありますのであらかじめご了承 ください。