種に込められた奥深いお話

皆さん夏真っ盛り!
セミの声が辺り一面に響いていますが、セミの鳴き声は区別がつくようになりましたか。
私の家の回りではもう夏の終わりに鳴き始めると言われている
ヒグラシが鳴いていました。
セミ達にとっては秋近しを感じているようです。

Hasu.jpg

先日私の少し関係している大覚寺に伝わる「嵯峨御流(さがごりゅう)」と言う華道のサマーセミナーが大阪で開かれたそうです。テーマは見ているだけで涼しさを感じる「水草について」です。水際にはえる多様な植物の生態についての講演や水辺をイメージした「お花の生け方」ワークッショップが実施され盛況だったそうです。水草と言えばスイレンやハス、コウホネ、ヒツジグサ、などいろいろありますが今京都では夏を飾っているのがハスです。京都で唯一1,200年の間、遺構とならずに維持されている歴史的文化遺産である大覚寺の大沢池では真っ赤な古典ハス「名古曽(なこそ)」が2千本以上咲いており、それはそれは奇麗です。

サマーセミナーで面白いお話があったと友人がお教えて下さいました。

水草についての講師は、京都で紅葉の寺として、また珍しい山野草が観賞できる寺
としても有名な常寂光寺(じょうじゃっこうじ)の住職である長尾憲佑さんでした。
この方のお話が終わった後に質問コーナーが設けられ、
会場からハスについての質問がでたそうです。

○参加者
蓮の種をいっぱいいただいたので撒いたのですが芽が出ません。
どうしたら発芽するでしょうか。

●長尾さん
種は幾つ蒔かれたのですか。

○参加者
数粒です。

●長尾さん
それならいただいた種を全部蒔いて下さい。
きっと幾つか芽を出すと思いますよ。
ハスは種を作るとき、水の中に散って今年芽を出す種、来年に芽を出す種、
3年後に発芽する種と、ちゃんと子孫を守るように何種類か作っているんです。
ですからもらった種を全部蒔いたらその中にきっと
すぐ発芽する種が入っているはずです。
でもですよ。
どうしても全部蒔けなくてすぐ数個で発芽させたいなら
蓮の種の胴体のあたりをヤスリで削り、
中の白い部分が見えてくる位薄くなるまで削ると発芽します。

と答えられたそうです。
みんなはその話を聞いていて感心したそうです。

Mehirugi.jpg

実はこれに似た話を聞いたことがあります。
沖縄県西表島のエコツーリズムの参加した時のことです。エコツアーガイドさんと一緒に川の水が流れ込む砂浜を歩いている時のことです。海岸一帯にマングローブ林の一種であるメヒルギの群落がありました。その樹々には先の尖った万年筆の様な形をした長さ25cmくらいの実がいっぱいぶら下がっていたのです。その木の足下を見るとその木から垂直に落ちた実が砂場に突き刺さって一杯若芽を出していました。凄いなー! と思って回りに落ちている刺さり損ないの実を触っていると、ガイドさんが面白いことを教えてくれたんです。


真板さん、
この一本のメヒルギの木についている実を全部刈り取って
大きな水槽の中に入れてみると面白いことが分かるんですよ。
まっすぐ水の下に沈んで行く実、水中の真ん中に漂ってよっている実、
水面に横になって浮いている実の3種類に分かれるんです。
じつは同じように見える実でも役割が違っているんです。
一番最初の実は親木のすぐ下に落ちて生長する木です。
固まって生えることで台風等の被害から身を守る役割をしています。
二番目は親木から数百メートルから1km位まで移動してから突き刺さり、
親とは離れたところで発芽する実で近隣で自分の仲間の増える場所を
確保しようとしているんです。
三番目の実は海流に乗って遥か彼方の旅にでて、よその大陸で発芽して
子孫の分布域を世界中に広げる使命を持った実なんです。
同じ種でも親は子孫を残す為にしっかりと考えて種を作っているんですね。

私たちは出来た種はみんな同じだものと思っていたのに、
種を作ろうとするハスやメヒルギはどうやったら無駄なく子孫をしっかりと残せるかを
考えて種づくりをしていたなんて凄いですね。
奥深いお話でした。

2009年8月19日 10:07 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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