サザンカが咲いたかツバキが咲いたか!

皆さんこんにちは。
京都は毎日、冷蔵庫の中にいるような寒さです。
今日は寒い冬を彩る代表的な花であるツバキとサザンカのお話です。

1Sazanka.jpg

皆さん、サザンカとツバキの違いって知っておられますか。
意外と知っている人が少なく「教えて!」と言われることがあります。
実はサザンカもツバキも同じCamellia(カメリア)といわれる仲間です。
ツバキは学名をCamellia japonica (カメリア・ジャポニカ)といい、
その名前が示すごとく日本原産の植物です。
サザンカも学名を Camellia sasanqua (カメリア・サザンカ)といい、
やはり日本原産の植物です。
今日はその違いをお教えします。
ぜひ覚えて下さいね。


【サザンカとツバキの早わかり!】

★サザンカは、本来は四国の太平洋岸、九州の南半分から南西諸島にかけて
 生育する植物で、10月から12月に咲きます。
 ツバキはサザンカより遅く、12月から4月にかけて咲きます。

★ツバキは、花は完全には開かず、ややカップ状になります。
 サザンカは、ほとんど完全に真っ平らになる程に開きます。

★花の中央部にある雄しべの柱状になっている部分を花糸(カシ)と呼びますが、
 ツバキはその花糸の下半分がくっついています。
 サザンカは花糸がくっついていません。

★ツバキは花びらが萼(ガク)の部分から丸ごとポトリと落ちるので有名ですが、
 サザンカは花びらがバラバラに散ります。

★サザンカは葉の縁が細かいギザギザのノコギリの歯の様な形になっていますが、
 ツバキにはギザギザはありません。これが一番わかり易いかもしれませんね。

おわかりになりましたでしょうか。今度観察してみて下さいね。


この冬の庭木の花として愛されているツバキは、古来から日本人に愛され、
今でも京都のお寺には室町時代のツバキが残っているそうです。
江戸初期の頃から庶民の間でも流行し、たくさんの品種が作られ、
1681年には世界で初めて椿園芸品種を解説した書物が江戸で出版される程だったとか。
こんなに愛されたツバキだったのに、そう言えばちょっと悲しいことを思い出しました。
それは、世界中の多種類の植物をストックしていることで有名な
イギリスのキューガーデンを訪ねた時のことです。
敷地の一角に広大なツバキガーデンがありました。
植えられているツバキのほとんどが、その昔日本から持ち込んだものだそうです。
江戸末期から明治の始めにかけて、ツバキの花の落下の様子が
「首が落ちる様子に似ている」というのを理由に
ツバキが庶民にあまり好まれなくなり放置される時代があったらしいのです。
ちょうどその時、日本を訪れていたイギリス人はその花の美しさに惚れ込み、
日本から多くを持ち出しイギリスに運んで大切に保存、栽培され、
多くの品種を作り出したとのことです。
やがて改良され、品種が再び日本に輸入されて、
今日また日本で庭木として流行しているというのです。
何とも皮肉なことですね。

2Yabutsubaki.jpg

ところで日本には特徴的な2種類のツバキが分布しています。
その一つは「ヤブツバキ」と呼んでいるものです。分布は、奄美大島の南西諸島から北は青森県まで分布している野生種です。背が高くなり赤い花を多数付けます。庭等に植えられるのはこの種を品種改良したものが多く、また大きな種をいっぱい付けるので、その種から皆さんがご存知の「椿油」を採ります。
伊豆大島が有名ですね。

私はこの椿油を少し布に湿らして、滑りにくくなった障子戸や床を磨きます。
すると面白いほど滑る様になります。
皆さんも試してみてくださいね。
このツバキの花の咲く頃、花の蜜を吸いに凄い数のメジロが飛んでくるのですが、
その光景もみものですよ。

3Yukitsubaki.jpg

もう一種類は「ユキツバキ」と呼んでいるものです。このユキツバキはヤブツバキの分布とは正反対で、日本海地域の豪雪地帯を中心に分布しています。ユキツバキは、私の恩師である新潟大学の萩屋薫教授によって1947年に発見されました。12月から4月に赤い花を付けます。ヤブツバキに比べ、枝がしなやかで地面に這う様に伸びます。

たくさん降った雪の中でじっと我慢しながら成長し、雪が少し溶け始めた頃、
積もった真っ白な雪の割れ目から真っ赤なかわいらしい赤い花が姿を見せます。
その可憐さは言葉では言い表せません。
先日、毎年10m程の雪が積もる新潟県の豪雪地帯で有名な
十日町市のブナ林に行く機会があったのですが、
大きなブナの木の根元に咲いている2輪のユキツバキの花を見ることが出来ました。
冬山の植物調査で高校生から大学生の頃、よくブナ林の雪山に出かけては
このユキツバキの姿を見ていましたが、30年ぶりの久々の対面でした。

皆さんも、寒さで家に閉じこもるだけでなく、たまには機会をつくって雪山に行き、
この可憐な花をつけたユキツバキを是非探してみて下さいね。
素敵な思い出がまた一つ出来ますよ。

2009年12月23日 08:12 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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