都市で野生化したインコたち

皆さん、京都では祇園祭りの巡行が終わる頃に毎年梅雨明けと言われていますが、
今年もご多分に漏れず、気象庁から7月17日に梅雨明け宣言がありました。
これから熱帯夜でなかなかねむれない暑い日々がやって来ますね。
私の経験では、熱帯地域の本場ブラジルより
この季節は日本の方が暑いかもしれませんよ。

熱帯と言えば、素敵な思い出が私にはあります。
10年くらい前のちょうど今頃ですが、南米大陸の中央部に位置し
世界遺産地域に指定されているパンタナールと言う世界最大の熱帯性湿地地域に
エコツーリズムの自然体験ツアーで行った事があります。
ブラジルの大都市サンパウロから飛行機でアマゾン川中流の都市マナウスまで行き、
そこから更に小型飛行機でパンタナールまで飛ぶのです。

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ここは動物の楽園です。
ワニの仲間のカイマンやネズミの仲間では世界最大のカピパラ、体に鎧の様な皮膚を持って身を守るオオアルマジロ、日本でも人気のオオアリクイ、蛇の王様アナコンダ等300種以上の哺乳類と1000種以上の鳥類と会う事が出来ます。

私はこのパンタナールの湿地の中央部にある農家に泊めてもらいました。
ベッドではなくハンモックで寝た事を覚えています。なかなか気持ちのいい物でしたよ。
農場の真ん中にはジャカランタと呼ばれる奇麗な花をつけた大木が一本立っていました。

ジャカランタはブラジル原産で、樹高は15~18mにもなる世界三大花木の一つと
言われているとても奇麗な花を咲かせる木です。
花が桐の花に似ている事から、日本ではキリモドキとも呼ばれています。

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朝日が昇り始めた5時頃の事です。キャー、キャー、ギャーとものすごい鳥の声が聞こえてきます。何か?と思い声のする農場に行ってみるとなんと、濃いブルーの色をした体調30から40cmのインコの群れが何百羽と何処からともなく飛んで来て、ジャカランタのベルの形をした紫色の花をついばんでいるのです。
この群がっていたインコの正体は、その美しさで世界に知られたルリコンゴウインコ。日本でもペットとして人気が高く、飼われている事があるそうです。

いまでもあの朝日をバックにジャカランタの花に群がる
ルリコンゴウインコの群れの姿は忘れる事ができません。
素敵でした。
カメラで写真を撮ることを忘れてしまった程です。

なぜこんなお話をしたかと言いますと、インコで思い出した出来事があったからです。
実は去年の今頃ちょっと変わった事がありました。
それは目黒の私の家の前に奇麗な緑色をした鳥の羽が落ちていたのです。
それはまさにあのパンタナールで見たインコやオウムの鳥の羽に似ていたのです。
おかしいなー?と思っていましたら、7月中旬の朝9時頃の事ですが
ついにその羽の正体を目撃したのです。
高いヒノキやケヤキの木のてっぺんに「キャーキャー」と大きな声で鳴きながら
30から40cmくらいの緑色をした鳥が3羽飛び回っているのです。

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その名はワカケホンセイインコです。
目黒にある東京工業大学に数百羽が棲みついているようで、調査の結果では、近年日本の三大都市圏でこの鳥が野生化して、最も多数生息している東京都では1965年から観察され始め、1985年現在では20ケ所以上の営巣地と800羽を越える個体が観察されて、さらに増えつづけているそうです。
ワカケホンセイインコは、アフリカからアジアにかけて広く分布するセネガルホンセイインコの仲間で、日本にペットとして安い価格で大量に輸入され、それが逃げてか、あるいは捨てられたものが繁殖したようです。
元々熱帯性のこの鳥が繁殖できるのも大都市の様に冬でも暖かく
ヒートアイランド化していることが、繁殖を可能にしているようです。

今東京ではこの鳥による被害報告はありませんが、原産地では
農作物へ被害を与える害鳥として嫌われているようで、桜等の花の蜜が大好きなので、
いつか、桜の花のむしり取りによる被害が聞かれ問題となるかもるかもしれませんね。

よその国から動物を輸入して飼うという事は、日本の動物や植物が
それだけ生息しにくくなる環境を作り出す事につながっています。
皆さんもペットを飼うという事が環境にどんな影響を与えるのか
考えてから飼って下さいね。

2010年7月21日 10:01 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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