子育てに大忙しのチョッキリ虫

皆さん9月に入っても暑い日が続いていますが、本当に耐えられないくらい辛いですね。
先日京都大覚寺の大沢池を見に行ってきました。
今年の3、4月が寒かったせいで蓮の開花が遅れて今頃満開です。
花びらの先がほんのりと赤い「爪紅(つまぐれ)」と呼ばれる
蓮の花が咲き乱れています。
今日はこの池の周りを歩いているときに、とても珍しいものに出会ったことのお話です。

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京都の嵯峨野にある自然系文化遺産の大覚寺大沢池の畔(ほとり)を歩いていたときのことです。大沢池には水を引き入れる為の小さな放生池と呼ばれる小さな池があるのですが、その畔に一本のクヌギの木があります。毎年今頃朝早く行くとカブトムシや、コガネムシなどがクヌギの樹液を吸いにいっぱい集まっています。

今回、散歩ついでに近くに寄ってみてびっくりです。一個のドングリの実と青い葉が数枚ついた、長さ15cmから20cm位の長さに切り落とされた枝が辺り一面に散乱していました。


拾ってみると、どの枝も鋸か刃物で切り落とされたような切り口になっています。
これは誰の仕業だろうかと調べてみて、その主がわかったのです。

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その名を「ハイイロチョッキリ」と言います。
この虫は足で踏んでも潰れないくらい丈夫な堅い殻で覆われていて、象のように長い鼻の様に見える口を持った「ゾウムシ」と言われるものの仲間です。体調は7mmから9mmで口の長さが10mm位の小さな生き物です。
この虫の雌は、クヌギがドングリの実をつけ始めた頃、ドングリの実がついている枝に行き、まず枝の根本を樹皮一枚分残して切るか、あるいは細い枝の半分くらいを自分の口で切ります。
そうしてからドングリの実のつけ根に、
長い口をキリのように使って小さな穴をあけ、
そこに卵を一個産みつけるのです。
産みつけた後は穴をあけたときの切りかすを使って
目立たないように埋め戻しします。
なかなか念が入っていますね(^o^)

そうしてから、また半切りにしておいた枝まで戻って、今度は口を鋸のように使い、
卵を産みつけたドングリの実がついている枝を地面に切り落とすのです。
卵はドングリの実の中で大きな幼虫になり、そしてこの実から出てきて土の中に潜り
蛹(さなぎ)になります。
翌年の7月頃に羽化して立派な成虫になるのだそうです。
ところで、どうして産卵したドングリの実がついた枝を
わざわざ切り落とすのでしょうか。
チョッキリの理由を調べましたら幾つか説があるようです。

1.産みつけたドングリが大きくなって卵の成長に影響を与えることを防ぐために、
枝を切ってドングリの生長を止めるため
2.ドングリから幼虫が蛹になるために出てきたとき、地面に潜りやすくするため
3.ドングリ好きなコガネムシやクマなどの動物達に食べられないようにするため

などです。皆さんはどうしてだと思われますか。
今度ドングリの実のつくコナラやクヌギの木の下を歩いてみてください。
きっとハイイロチョッキリに会えますよ。
切り口とその枝についているドングリの実をしっかり見てください。
シャープな切り跡と、ドングリの実につけられた小さな穴を
観察することができるかもしれませんよ。

2010年9月15日 08:15 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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