ベジタリアン登山家になったアリの話!

皆さん秋がひたひたと近づいて来ているはずなのに、
意外と暖かい日が続いていますね。
でも、夕方になると風が少しひんやりとしていて
「あーやっぱり秋だなー」と感じます。
道端ではあんなに元気だった草花は枯れかけて、
代わり小さい種をにいっぱい付けています。

先日ですが、草原を歩きましたら
ズボンにいっぱいヌスビトハギの種がくっついていました。
今日は、秋になるとに突然地中から出て来て
せっせと働き始める体長5mmの小さな昆虫のお話です。

この昆虫は地面に約4mの垂直の巣を掘って移動していると言いますから、
自分の体長の800倍、人間に換算すると、何と、富士山5合目までを
毎日昇り降りしていることになる強健な体力を持った昆虫です。

以前、長崎県平戸市にある「たびら昆虫自然園」を紹介したことがありますが、
その自然園の入り口に一枚の大きな写真パネルが貼ってあります。

104Kuronagaari1.jpg

そこには地面から地下4mまで掘られたアリの巣が写っていました。
このアリの名前は「クロナガアリ」と言います。
この世界初の写真を撮ったのはこの田平に住み着き、生態写真を撮り続けている昆虫写真家で有名な栗林慧(さとし)氏です。
ショベルカーを使って慎重にクロナガアリの巣に沿って地面を掘り込んで行って写真を撮ったのだそうです。

104Kuronagaari2.jpg

資料によりますと、このクロナガアリは乾燥した草原や空き地などでよく見られるアリで、働きアリの体長は5mmほどだそうです。

働きアリは他のアリのように昆虫の死骸などを運ぶことはなく、秋以外はほぼ巣穴を閉ざし地下生活をしていますが、草花の種が出来る秋の今頃、地上に出て来て巣の周りに散らばっているイネ科の雑草、
例えばエノコログサやオヒシバなどの種を採集し、巣穴に運びこみ寒い冬に備えて蓄えるのだそうです。

巣は、先ほど説明しましたが、「地中真下に垂直に通路を掘り進み、その通路の左右に1つずつ横向きに部屋をつけるのが特徴」と記されています。
地面に少しだけ掘り進んであとは横に巣を広げて巣作りをするアリは多くあるのですが、このような垂直型の巣を作るアリは他にはないそうです。

きっと体が小さい分だけ他のアリに襲われ易い為、普段は他のアリでは
たどり着けないくらいの地中深くに身を潜め、収穫の秋の時だけ地上に出て来て、
他のアリと競合しない植物の種の餌集めに集中すると言う、
ベジタリアン生活の登山家に徹するしたたかさに感心するばかりです。

2011年10月26日 09:46 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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