子育てにかける母ミノムシの話

皆さん、11月に入ったというのに暖かい日が続いていますね。
今年の紅葉はかなり遅れて、12月に入っても楽しめるのではとの声が聞こえています。

小さな虫達もいつから冬眠の準備に入ったら良いのか
迷って右往左往しているのではないでしょうか。
今日は昆虫のお話です。
ほんの数日前のことですが、ある駅の高架橋の下を歩いていた時のことです。
道に沿ったコンクリートの壁に何かゴミの様なものが点々と付いていました。
何だろう?と近づいて見てみると、それは久しぶりに見たミノムシ君でした。

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大小様々な大きさのミノムシがコンクリートの壁にぶら下がっています。
大きいミノムシは動いていませんが、小さいミノムシはミノの中から幼虫が頭を出してもぞもぞと一生懸命動いています。
私が中学生の頃、学校の周りに植えられていたニセアカシヤの木に、今頃の季節にいっぱいミノムシがぶら下がっていたのを覚えています。
今思えばかわいそうなことですが、ある女性が、このミノムシのミノを集めてハンドバッグを作ったと言う記事が新聞に載ったのを記憶しています。
でも最近はめっきりお目にかかることが少なくなっていたのでとても懐かしかったです。

新潟で蛾の研究をしている誘蛾会の代表の佐藤力夫先生に
写真を送って調べてもらったところ、このミノムシはチャミノガという種だそうです。

このチャミノガの幼虫は、柿やサツキ等の葉っぱを夏に食べ、
おなかがいっぱいになった後に、枯れた葉や枝を自分の口から出した糸で
絡めて集め、巣を作って枝からぶら下がります。

105Chaminoga2.jpg

この巣の形が、稲で雨具用にお百姓さんが作る箕に形が似ていることから「ミノムシ」と呼ばれるようになったと言われています。実は、このミノムシの生態は少し変わっているんです。
普通の蝶の形をしているオスのミノムシは夕方頃とびまわって、一生箕の中だけで過ごすミノムシのメスを探し出して交尾し、交尾後、オスはすぐに死んでしまいます。

やがてメスは自分の住んでいるミノの中で1,000個以上の卵を産みます。

20日くらいして卵がミノの中でかえると、役割をおえたメスはミノの下に穴を開け、
地上に落下して死んでしまうのです。

しばらくして卵からかえった幼虫達は、親が死ぬときに作った
ミノの下の穴から外に出て、葉っぱ等を食べながらミノを作り、
成長するにつれてミノを段々と大きくしていきます。
自分のお母さんの死骸も材料にしてしまうそうです。
やがて秋の今頃、ミノの前端を細く縛って、
壁や枝にくっつけて動かなくなり越冬にはいるのです。

蝶になって飛び回るオスのミノムシと一生ミノムシのまま子どもの為につくすお母さん。
この母さんの生き方は凄いですね。

そういえばある資料に
「日本では昔から、ミノムシを鬼の捨て子で、秋風の吹くころになると父よ、父よと、父親を慕って鳴くということが枕草紙に載っているそうで、枯れ枝を集めて作った箕があまりにも粗末な着物をきせられたかわいそうな子どもの姿に見えるからでしょうか。」
と書いてありました。
中学時代、寒い風が吹く冬の枝に、ぶら下がっているミノムシを見た時は
本当こんな感じでしたよ。
お母さんの子どもへの愛情は想像以上に強いですね。

2011年11月 9日 09:41 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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