格式高い「ウメにあやかった植物たち!」とは

寒い日々が続きますがいかがお過ごしですか。
暮れの植木市に行きましたら蕾いっぱいの梅の盆栽が売られていました。
真冬とはいうもののこの盆栽の梅を家で飾っておけば暖かさに誘われて、
あと1か月ちょっともすれば梅の花が見られるのではないでしょうか。
今日は春の訪れを告げてくれるウメにあこがれた植物たちのお話です。

春一番を告げてくれる日本文化の象徴ともいえるウメは中国から渡来したもので、
後に日本で野生化したものとされています。
万葉集を見ると上流階級の人々がウメの白花を詠んだ歌が数多くみられ、
ほかの植物に比べて断トツに多く大事にされていたことがわかります。

このウメの花や実が終わった葉も茂る7月頃、2~3mの高さ木に、
淡紫色の花を咲かせるウメモドキというモチノキ科の植物を
川べりの崖などでよく見ることができます。

110Umemodoki.jpg

この植物の名前の由来は、葉っぱや枝ぶりがウメの木に似ているからだそうで
「梅擬」と漢字で書きます。
「もどき」とは似ているとか偽物の意味です。
ウメとウメモドキは、確かに葉もよく似ているのですが、もっとよく見ると
ウメモドキの小さな花がウメの花の形に実によく似ているので、
このところからもウメの名前をもらったのではと思っています。

でもこの植物の本当の見どころは、秋から冬の今頃に見せる、
葉の落ちた枝の先に真っ赤な果実を付けた姿です。
枯れた木々の多い雑木林の中でひときわ目立ってきれいです。

ところで、このウメモドキの実が落ちかけ初雪が降り始める頃、
枯れ木にまとわりつきながらきれいな赤い実を見せている、
ウメモドキに似たツルウメモドキというややこしい名前の植物があります。

ツルウメモドキはニシキギ科の落葉つる性木本(もくほん)です。
日当たりのよい林などで、木にまとわりついています。
葉を見ると名前の通りウメやウメモドキに似ています。
そのせいでしょうか。
「ツルウメモドキ」の名前の由来は、「葉の形や若枝がウメに似ていること」
によるとされていますが、私はこれだけではないと思っています。
実は秋の頃は淡黄色に熟し、黄色の小さな豆柿の実に本当によく似ています。
やがて秋の終わり頃、その実が3つに割れて、中から表面を赤い皮に包まれた
種子が現れるのですが、これが美しいウメモドキの赤い実に似ているんです。
名前をまねた植物に、別の植物がまた真似をして名前を付けているんですね。

110Tsuruumemodoki.jpg

「ウメモドキ」は葉や枝ぶりが日本を象徴する「ウメ」に似ていることから、
ウメにあやかりたいと「偽物ですがウメに似ています!」として宣言して
「ウメモドキ」の名をもらい、今度は、つる性で、
その偽物の赤い実に似ていている植物にあやかって「ウメの名前を付けたい!」
と願って「ツル・ウメモドキ」という名前をもらったのです。
何とも、ややっこしい話なのですが、ウメと付いたせいでしょうか。
野の花にしては、「つる性植物で、特に赤い実がきれい」ということで、
結構、生け花に使われています。
今では、みんなに好まれ過ぎて、見つけられるとすぐ採集されてしまうので、
山野ではその姿をあまり見られなくなってきているという報告さえあります。

東京の奥座敷と言われる桧原村では、里山を歩いていると、

5月頃ウメの花

7月頃ウメモドキの花

12月頃ウメモドキの赤い実

1月頃ツルウメモドキの割れた赤い実

を見ることができます。
是非一年を通じておいでください。
山に通うと知らなかったいろんなことが見えてきますよ。

2012年1月18日 09:49 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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