菜の花に選ばれたパートナーとは?

皆さん、桜満開!
目黒川の桜並木は見物人でいっぱいでした。
檜原ではやっと梅が咲いていますが、もうすぐサクラもツツジもアンズも一緒に咲いて、
桃源郷のようになります。
そして畑では菜の花が咲きモンシロチョウが飛び回ります。
今日はこの菜の花(アブラナ)とモンシロチョウのお話です。
菜の花と言えばモンシロチョウが飛んでいる姿を思い起こしますが、
でも、どうしてアゲハチョウはいないのでしょうか?

実はこの裏には、一所懸命生きようとする菜の花とモンシロチョウの切っても切れない絶妙な関係があったのです。

もともと菜の花が、子孫を残していくためには、チョウチョウなどの昆虫に受粉をしてもらって種を作ることが必要です。

一方チョウチョウのほうでは、卵を産み付けて幼虫を孵(かえ)し、その幼虫が大きくなるまで安心して食べることのできる食べ物(食草)が必要です。

でも菜の花も必死です。
何故って! いろんな種類のチョウチョウにいっぱい卵を産み付けられて、その幼虫にばりばりと葉っぱを食べられてしまっては、
自分が枯れてしまって子孫を残すどころではなくなってしまうからです。

そこで菜の花は自分の体の中に毒液を作って、
食べた幼虫を殺してしまおうと考えました。
恐ろしいことです。
昔々はいろんなチョウチョウが菜の花を訪れ、卵を産み付け、
幼虫となった子どもたちは葉っぱを食べたんでしょうが、
その毒に当たって次々と死んでいったんだと思います。
そんな中、この毒にビクともしない、
あるいは抵抗力を身につけたチョウチョウが現れました。
その名は「モンシロチョウ」です。
言い換えれば、菜の花の葉に含んだ虫除けの毒を幼虫が食べても堪えられる昆虫として、
唯一菜の花に選ばれたのかもしれません。
このことによって、菜の花が開花しているときモンシロチョウに来てもらって
受粉してもらい、かわりに幼虫の面倒を見るパートナーの契約を結んだわけです。

ところで、モンシロチョウは幼虫を預けることのできる安心安全の植物かどうかを
どうやって見分けているのでしょうか。

1)モンシロチョウはまず白や黄色の花を探します。
モンシロチョウは白黒しか区別できませんが、白黒の模様として紫外線を見ることができます。
特に黄色の花は、モンシロチョウにはよく見え、近づいて行くようです。
そして近くまで来ると、人間の鼻の代わりをしている触角で葉っぱや花を触り、わずかな香りをかぎ分け、「大丈夫かも!」と確認を取ります。

2)さらに、訪れた葉が卵を産める安心安全なパートナーの菜の花かどうかを、味を感じる舌の代わりをしている脚(蝶の足)で葉っぱを叩いて、出てきた物質の味をみます。
そこで間違いなく安心安全の味を確認すると、その葉っぱに卵を産み付けるのです。
他のチョウチョウは同じ行動をしたとき、「これは危険!」と察知して飛び去って行ってしまうのです。
臭いと味で安心安全を確かめているなんてすごいですね。



でもこの菜の花のパートナーに選ばれたモンシロチョウの幼虫も
増えすぎることがあるらしく、菜の花も食害による絶滅の危機に直面します。
私たちが「あおむし」と呼んでいる幼虫は畑ではカマキリやトンボに
食べられたりしますが、菜の花にはもっと強力な助っ人がいるのです。
その名を「アオムシコバチ」といいます。
モンシロチョウの幼虫に卵を産み付けて栄養にして成長します。
一説では野外のモンシロチョウの幼虫の50%以上が寄生されているらしく、
異常繁殖を抑える役割をしているとか。
結果として菜の花を守っているようです。
んーー! かわいい菜の花もなかなかのしたたか者ですね。

2012年4月11日 09:49 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

3メートル以上になる5年くらい生きる珍しいケールを栽培しています。最初は国産の雑種(日本のケールは遠藤医師の作った雑種で日本に出回っているのは、ほとんど皆このケールの末裔です)だったのですが、この頃から、すでにモンシロチョウには悩まされました。彼らは共生ではなく破壊者です。苗まで食い尽くすからです。あなたの言われるように受粉を助けることはあっても、それは一種のby-productのように思えます。栽培を始め20年くらいになりますが、2,3年でマユバチが現れ、青虫を食べてくれるようになりました。しかし、青虫や蝶の数に比較すると焼け石に水のようにすら感じる時があります。せいぜい、食い残しの葉は40%あればいいほうです。大部分は食い尽くされ、ケールはその再生能力の強さにもかかわらず、害虫の多さで初心者は大抵失敗します。株数が少なかったり、防虫網が張れる小さいケールなら簡単に栽培出来たと言う例もあるでしょう。90%が、この憎き害虫のため農家は泣いているのです。青汁にするため良心的な農家は無農薬で栽培するからです。北海道では別種類のモンシロチョウによってケール畑が全滅した写真を見たことがあります。

Posted by: k | 2013年4月29日 10:26


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