悪戦苦闘のウトウの子育て最前線!

皆さん、いよいよ梅雨入りですね。
先日ですが仕事で青森に行った時のことです。
お食事をしておりましたら知人が「この美味しいお酒を知ってますか」
と持ってこられました。
そのお酒名は「善知鳥」。

「ウトウ」と呼びます。

とてもおいしいお酒でしたが、この名前の鳥が繁殖する島として有名な天売島(てうりとう)を訪れた、だいぶ前の記憶がよみがえってきました。
天売島は北海道の北西に位置し、島の周囲 12kmで日本有数の海鳥繁殖地です。ここに17万つがいのウトウが繁殖しているのです。
ウトウはウミスズメ科で、大きさはハト位の海鳥の仲間です。オレンジ色の嘴、頭部の後ろには繁殖期だけできるという10mm程の突起状の飾り羽が現れて目立ちます。(なかなかかっこいいです!)


私がこの島を訪れたのは6月の丁度今頃でした。

島でエコツーリズムガイドをされている方が、「今日あたり面白い光景が見られるので懐中電灯を持って夜間観察会に行きませんか」と誘われて出かけた時のことです。
この島の西側の急斜面に20cm~30cm位の穴が数えきれない程あいていました。
何がおこるのかと懐中電灯片手に、この場所の近くに設けられた展望台で待つこと1時間。
丁度陽が落ちかけた頃です。
海の遥か彼方から60万羽ほどのウトウの群れが獲物をくわえて、鳴き声をあげ、小さな羽を小刻みに羽ばたきしながら猛烈なスピードでこちらに向かって飛んできます。

崖に降り立ったウトウは歩くことがあまり得意ではないようです。
ヨチヨチと歩きながら自分の巣穴を探して歩き回ります。
嘴には海に潜ってとって来たイカナゴ、カタクチイワシ、ニシンなどが
しっかりとくわえられて、ぶら下がっています。
奥行きは1m程ある巣に隠れている子どもに、
夜間に一日一回だけせっせと餌を運んでくるのです。
餌を待っていた子ども達に、餌を与えようとする親鳥の姿は壮観そのものでした。

でも皆さん、ドラマはこれで終わりませんでした。
ふと巣の周りを懐中電灯で照らして見ると、この無数の巣穴の入り口に、体はウトウより数倍大きいカモメという乱暴者が立ちはだかっていたのです。
ウトウがやっと自分の巣穴を見つけて中に入ろうとしたその瞬間です。
カモメは餌をくわえたウトウに
「ちょっと待て!」
と、大きな嘴で突っついたり、体をぶつけて脅し、羽交いじめを始めたのです。
見ていて可哀相です。
「やめて!やめて!」
と、ウトウが叫んだ瞬間でした。嘴から餌がこぼれ落ちたのです。
「いただきーー!」
とカモメは餌を横取りです。
呆然とたたずむウトウ。
私には、泣いている様にさえ見えました。
巣でお腹をすかして待っている子どもに、その日は餌を与えることは出来ません。
こんな光景があっちこっちで夜中じゅう繰り広げられていました。
餌をもらえなかった子ども達はどうなったのでしょうか。
無事に巣立つことが出来たのでしょうか。

是非皆さんも機会があれば北海道の海鳥繁殖地の天売島に行ってみてください。
生きて行くことの大変さを感じることが出来るはずです。

2012年6月20日 09:58 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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