ボルネオの危険で美味しい食材とは?

各地で大雨被害のニュースが流れていますが皆さんのところではいかがですか。
数日前から鳥の雛の鳴き声が聞こえると思っていましたら、
向かいの家の軒先にツバメの巣があり、その雛鳥たちの声でした。
親鳥が餌を運んでくるたびに、「私にちょうだい!」と
思いっきり首をのばして親に餌をおねだりしています。

このツバメの様子を見ていて思い出したことがありました。
丁度今頃の季節にマレーシアの赤道直下のボルネオ島に行った時のことです。
この場所は数百万匹のコウモリが餌を求めて大飛行する光景が見られる
巨大な鍾乳洞が点在することで知られています。

ある日、ガイドさんに連れられて500万年前に出来たゴマントン・ケーブと呼ばれる巨大洞窟に行きました。
ライトを照らしてようやく見えるかなという100m以上の高さがある大きな洞窟でした。
おそるおそる懐中電灯片手に中に入って行くと、足下にはきらきらと何かが輝いています。
「あれ、何かな?」と見ると、それは無数のゴキブリの群れでした(逃げ出したいくらいビックリしました)。
天井を照らしてみると、今度は壁に数えきれないくらいのコウモリが張り付いています。


「ゴキブリ達はこのコウモリが天井から落とす糞を狙ってここに集まっているんだ」
とガイドさんが説明してくれましたが、この糞を通じた密接な関係って凄いですね。

ところで、ここは中華料理「燕の巣スープ」の高級食材であるツバメの巣が採取できる場所として有名な場所なんです。
洞窟内の約100mの高さの位置に採集用の梯子がかけられており、この梯子を利用して中華料理の高級食材の最高峰と言われる「ツバメの巣」の採取が行われていました。

梯子は幅60cmくらいの間隔で張られたロープに40cm間隔で丈夫な竹が梯子状になるように結びつけてあります。
長さ約200m位のこの梯子を丸めて洞窟の上に運び、天井から入り口の近くに向かってたらして上と下の両方で引っ張ります。
張られたロープを今度は左右に揺れないように支え棒のように
補助ロープを何本か設けて、梯子を左右に引っ張るように固定していきます。

ようやく天井にまで張られた細くて長い梯子に、一人の男性が採集用の棒を持って
ツバメの巣のある天井近くまで登って行くのです。
脇で見ていましたが、固定したといってもゆらゆら揺れる100m以上もある梯子に、
上まで命を預けて登って行くなんて信じられませんでした。
天井近くにたどり着くと棒でツバメの巣を引っ掻くようにして地面に落していくのです。
「手の平の大きさで数万円もするんだ」
と現地の人が薄い黄色で半透明の巣を自慢そうに見せてくれました。
でも毎年何人かは落ちてケガ人や死者がでていると言ってました。
美味しいものは危険と隣り合わせなんですね。

このツバメはアナツバメといいます。
このツバメの仲間は洞窟内の壁に好んで巣を作ることからこの名前がつけられています。
最大の生息地が、私の行ったボルネオの大鍾乳洞群地帯なんですよ。

資料によりますと「繁殖期を除いてほとんど地表に降りることはなく、
睡眠も飛翔しながらとると言われている」そうです。
また「巣材も地表から集めるのではなく、
ほぼ全体が唾液腺の分泌物でできたもので巣を作る」そうです。

皆さん!
「巣をとってしまったらツバメは宿がなくなって死んでしまうのでは?」
と思われる方がいるかもしれませんが、心配しないでください。
じつはアナツバメは雛が巣立ちしてしまうと同じ巣を利用することはないそうで、
アナツバメが放棄した巣を採取しているそうです。
「オスは次の発情期になればまた唾液腺から特殊な分泌物を吐き出して
新たに巣をつくる」のだそうで、私も少し安心しました。
でも一生懸命作った巣を棒で落として料理して食べるって、少し抵抗がありますね。

2012年7月18日 09:44 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

初めてこのサイト訪問し
2~3の記事を拝読させていただきました。真板先生の優しいお人柄が 随所ににじみ出ていて 一日の始に相応しいと思いました。これまでの記事と合わせて日々の更新楽しみにしております

Posted by: maiko | 2012年7月30日 08:25


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