夏枯れにも負けず咲き誇る植物とは

皆さんお元気ですか。
朝晩は少し涼しくなったとはいえ、まだまだ残暑厳しい日々が続いています。
寝冷えに気をつけてくださいね。
この時期は山の植物も暑さで葉が萎(しお)れていたり、
枯れ始めたりして植物も強烈なお日様には困っているようです。
林の中に入っても咲いているお花はなかなか見つけることが出来ません。
そんな折、NPO法人桧原村フジの森の友人から
「林の中で見つけたのですが、この花は何ですか?」
と、問い合わせがありました。

見に行ってみましたら、間伐して日当りの良くなった杉林の中に
二本だけ垂直の花茎(かけい)をのばし、その高さは100cmくらいです。

花茎の周りには15cmから20cmの薄緑色をした、開いたユリのような花が輪生状に10個ほど付いています。根元には、濃い緑色をした30cmくらいのハートの形をした大きさの葉が数枚付いています。何となく風格があります。

この花の名前を「ウバユリ」と言います。関東地方以西に分布しています。
実はこの植物は山菜愛好家にはよく知られていて、以前は檜原の山にもたくさんあったのです。でも杉の植林が進んでしまったり、この植物のユリ根が美味しいので多く採られてしまい、めったに見られなくなっていました。
でも杉の林を間伐して日当りを良くしたので、出て来たのかもしれません。

私は名前の由来が、花茎にいっぱい花が付いている様子から、
漢字で「乳母ゆり」と書くのかな?と思っていたのですが、
実は漢字で「姥百合」と書くそうです。
なんでも「花が満開になる頃には葉が枯れてくる事が多いため、
歯(葉)のない『姥』にたとえて名づけられた」そうです。
ちょっと悲しいですね。

このウバユリの仲間に姿形はそっくりなのですが、このウバユリより高さも数倍大きく200cm以上になり、花もいっぱい付ける「オオウバユリ」とうい植物があります。
数年前ですが岩手県浄法寺町(現在は二戸市浄法寺地区)で「地域の人が自慢する自然や文化歴史を探そう!」という「宝探し」を一緒にやったことがあります。
「こんなものも宝になる?」
と地元のおじさんが自分の山で見つけたと言って、一本の枯れたオオウバユリの花茎を持ってきました。
その長さは私も今までに見たことがないくらいの300cm以上はゆうにあります。
「凄い!」
皆から歓声が上がりました。
中が空洞になっているので持ってみると意外と軽いです。
地元の人もオオウバユリはたまに見かけるそうですが、
「こんな大きいのは初めてだ!」
と言っていました。

この巨大な花茎に輪生状にユリの花が咲いていた様子を思い浮かべると、
胸がわくわくして、咲いている時に絶対見に行ってみたいと思いました。
今、その花茎は浄法寺町の公民館に飾ってあるそうです。

地元の研究者の方から聞いた話ですが、その昔アイヌ民族にとっては、
穀物以上に重要な位置を占めており、このユリ根から澱粉を取って食用とし、
その搾りかすも醗酵させて保存食として利用していたそうです。
夏の暑いさなか、飢饉がおこりやすかったり、食べ物が少なくなる時期に、
多くの人々の命を救っていたんですね。

夏枯れのこの時期に暑さに負けずに精一杯咲き誇って、
人々の命を救ってきたなんて凄い植物ですね。
皆さんも機会があったら杉林の中を覗いてみてください。
風格を持って、美しさを周りにアピールしているウバユリに出会えるかもしれませんよ。

2012年8月15日 09:40 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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