紅葉と黄葉に込められた思いとは

皆さん、寒さが一段と厳しくなりましたがいかがお過ごしですか。
私は先日、京都嵯峨野の紅葉寺として有名な常寂光寺(じょうじゃっこうじ)に
お食事に招待されて行って参りました。

正門から書院に通じる石畳は、一面真っ赤なモミジ葉で敷き詰められていて、踏んでしまうのがもったいないくらいでした。
今日はこのモミジにまつわるお話です。この何気なく使っているモミジという呼び方と紅葉という漢字にはどんな意味が込められているのでしょうか。

資料によればモミジとは『万葉の時代、木や草の葉が、秋が深まり急激な寒さで緑色の葉から揉みだされるように、葉がだんだんと色づく現象を「もみつ」という動詞で表現しており、その名詞形が「もみち」「もみぢ」となったようです』とありました。本当に誰かが手で揉んで絞り出さなければ、あんなに奇麗な色は出てこないと思う気持ちはよく理解できますね。

ところで、現代ではモミジは一般的に「黄葉」ではなく「紅葉」
という漢字を当てていますが、『万葉集』では 、そのほとんどが
「黄葉」という漢字を当てているそうです。
この時代は黄葉(モミジ)とは、秋になって冬枯れを前にして、
黄色を基調に木や葉草の葉の着色全般のことを全てそう呼んでいたようです。

現に、『万葉集』で「紅葉」と表記されているのはたった1例のみだけだそうです。
後に、このモミジに「紅葉」という漢字を一般的に用いるようになったのは、平安時代以降に、モミジやカエデと呼んでいる植物が秋になると、葉の色が神様の手で揉みだされた血のように赤く染め出されるため、この植物への色変わりの意味を強めて使われるようになったそうです。

ところで、モミジを私たちはカエデとも呼んでいますが植物学的には、モミジもカエデも同じものです。

カエデという呼び名は芽吹いた葉の姿形がカエルの手に似ていることから
「カエルのテ」がなまってこの呼び名が別名として定着していったようです。

今では日本を代表する植物ですが、人々はこの赤く染まる植物に特別の愛着を感じ、
江戸時代から次々と新しい品種を作りだしてきました。
今では原種、園芸品種を合わせて四百種類以上になります。
原種を多数保存している常寂光寺でも江戸時代からのモミジが多数あり、
神様の手で揉みだされ、赤くなった時のグラデーションは
常寂光寺500年の時を超えて小倉山の麓を映し出しています。
言葉では表現できないものです。
自然の芸術ですね。ぜひ一度訪ねてみて下さいね。

2012年12月 5日 15:40 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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