「可愛らしい!」だけではつき合えない

皆さん、一日で気温が上がったり下がったりで、本当に辛いですね。
どんな服装で外を歩いたら良いか迷ってしまいます。
こんな温度差の激しい中でも大覚寺大沢池の隣にある梅林が花盛りですが、
先日学生とその梅の木の手入れをしました。
白梅、紅梅といっても結構いろんな種類の色があって見ていて面白かったです。
「桜切るばか、梅切らぬばか」といって、梅の木の美しい姿と花を楽しむ為には、
毎年時間と手間ひまをかけて手入れをしないと維持できない植物なんですよ。
ご存知でしたか。
梅に限りませんが、生き物を扱うという事は将来の姿を見据えて、
末永くじっくりとつき合って行く覚悟が必要なのです。

ところでいま困った問題が全国の史跡名勝地で起こっています。
毎年きれいに咲いていた蓮が、ある日突然姿を消してしまう
という事態が起こっているのです。
先日ですが、九州の久留米のお城の堀から蓮が消えてしまったそうです。

これと似た報告がかなり多く届いています。

実は1,200年前の蓮が3,000本以上咲く大覚寺大沢池でも同様のことが起こり始めていました。
蓮の咲く風景はまさに極楽浄土そのものといっても良かったのですが、蓮が咲いているエリアのうち、水深の浅い50cmところからやや深めの1m50cmくらいのところまでの蓮が姿を消して、真ん中が、はげたような状態になって来ているのです。しかも、年々広がってきています。
初めは、肥料不足か? 病気か? と思って、いろいろと対策をつくしましたがどうも違っているようです。


調べて行くうちにその原因がわかってきました。
それは皆さんがよく知っているある動物によって
蓮の根っこや芽が食べられているせいでした。
その名は「ミシシッピアカミミガメ」と言います。

皆さんは縁日等のお祭りで、ミドリガメと呼ばれている
可愛い子ガメが売られているのを見た事はありませんか?
この可愛い子ガメこそ、大きくなって蓮を食べまくる
ミシシッピアカミミガメの赤ちゃんなのです。
一説では「ペットとしてアメリカ合衆国から輸入され、流通している爬虫類の中で
最も数が多い生き物で、年に数十万~百万個体近くが輸入され、
可愛いペットとして安価に販売されている」と記述されています。

でも大きくなって最大28cm位の大きさになると、もう一般家庭では手に負えなくなるため、近くの池や沼、川に放流されてしまい被害が拡大しているのです。

このカメは「底質が柔らかく、水生植物が繁茂していて、日光浴に適した陸場の多い穏やかな流れを特に好む」と文献にありますから、まさに大沢池のような場所はもってこいの天国なんですね。

食べ物も植物食傾向の強い雑食性で、藻類や水草、水生昆虫、ザリガニ、
エビ、貝類、魚類等さまざまなものを食べる暴れん坊です。

今年の4月からこのミシシッピアカミミガメの捕獲大作戦を開始しなくては、
池の蓮が滅びるところまで来ています。
カメ退治は避けられません。
でも勝手に連れてこられて、用が無くなったらポイ捨てされ、
生きようと必死に池で頑張っていたら
「おまえは外来種だ!」「池の蓮に被害を及ぼす生き物だ!」
と言われて退治されるのは何とも哀れです。
人間の身勝手ですね。

「可愛い!」「飼ってみたい」と思うならば、その生き物が大人になった時、
年寄りになった時どうなるのかを、自分の生活とじっくり見合わせてから
決断する必要がある事を肝に命じて下さい。
そうでないと、「可愛いから」と一時の気持ちで生き物を飼ったり、
餌付けしたりすることは、結果として生き物を殺す事に通じているのです。

2013年3月13日 08:33 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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