虫と植物の長ーい戦いとは

皆さん、こんにちは。京都の山は緑でいっぱいです。
私がよく訪ねる小倉山の麓に、友人が住職をしているお寺があります。
そのお寺は常寂光寺(じょうじゃっこうじ)というのですが、
今ちょうど境内一面が青紅葉で彩られており本当に奇麗です。
また苔むした地面には、ショウジョウバカマやナルコユリ、ギボウシ等、
日本古来からの山野草が境内のあちこちに植えられていて、
もうすぐ花を咲かせようとしています。
きっと手入れが大変ではないかと思います。

ところで、私のもう一人の友人でローズガーデンの設計を手がけている
ランドスケープデザイナーがいます。
この友人が先日、ホテルオークラの大広間で10カ国の大使夫人が描くガーデンを、
様々な植物を使って再現するガーデニングイベントを実施しました。

そのとき、気づいたことがありました。
それは、常寂光寺の植物は野外にあるにもかかわらず、
意外と虫に食べられていないことでした。
それに比べて、ガーデニングに用いられた色とりどりの、
本来日本には無かった外国産の植物が結構虫に食べられていたということです。

私も家の片隅によくバジルを買って来て植えますが、一晩でバジルの葉っぱがほとんど虫に食べられて無くなる被害にあうことがよくあります。
これはどういうことなのでしょうか。
じつはここには、植物と虫の長い長い戦いの歴史が隠されているのです。
本来、虫と植物の関係は一言で言えば「食べる側」と「食べられる側」の関係です。

ある日のことです。
お腹をすかせた一匹の虫が、目の前にある植物をパクッとかじりました。
結構美味しかったのか、どんどん食べていきます。
これ以上食べられたら自分は枯れてしまうのではと焦った植物が、
自分の体にこの虫には毒薬になる成分を造って虫退治をしたのです。
その虫はもう二度とその植物を食べることはしませんでした。
ところがです。
その翌年、今度は別の種類の虫が食べにやって来たのです。
再び同じように食べられた植物は、また別の毒を体に造って虫退治を始めたのです。

じつは、日本に古来から繁殖して来ている植物は、
このようなことを何千年も繰り返しながら今日に至っているのです。
例えばモンシロチョウの幼虫はキャベツの様な
アブラナ科の植物を食べても死にませんが、
アゲハチョウが食べるミカン科の植物を食べることはできません。
これは植物と虫の戦いの歴史の証なのです。

最近持ち込まれた外国の植物がよく食べられてしまうのは、
この戦いの洗礼をまだ受けていないので、
虫達の標的にされやすいせいではないでしょうか。
でも、かじられる月日を長く重ねていけば、
その植物が日本の虫専用の何種類かの毒を体の中に造るようになって、
食べてくれる虫が限られてくるかもしれませんよ。

ランドスケープデザイナーの友人は、
「海外の植物は日本に持ってくれば食べられて当然です。
 農薬の使用は反対です。
 将来その植物に有益な仲間となる虫まで殺してしまうからです」
「手で一匹一匹のけてやって下さい」
と語っています。
皆さんもお庭に植物を植える時は、植物も虫もそれぞれが「生きたい」と
必死で頑張っている立場を理解して、長ーい目でつき合ってあげて下さいね。

2013年5月 8日 09:44 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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