私の本当の名前は何?

みなさんこんにちは。暖かい日が続きますね。
若葉は濃い緑色に変わり、もう初夏の様相です。
先日ですが、京都天ぷら懐石料理で知られている
お料理屋さん「天喜」でお食事をしました時、
東北から送られて来た今年最後の山菜料理が出てきました。
おかみさんに、「先生、これなんでしょうか」と聞かれましたので、
「ウルイ、ミズ、シケド又はキノシタ、アイコ、ですね」
とお教えしたのですが、みんなポカン?とされています。
みなさんは何の植物だか分かりますか。

じつはこの呼び方は、山菜として食べるときの呼び名なのです。
植物にはいろんな呼び方があるんですよ。
用途によって、時代によって、地域によって
いろんな呼び方がされてきているんです。

でも皆が分からないんでは、ちょっと困りますね。
そこで、誰もが分かるようにしよう!という事で
「標準和名(ひょうじゅんわめい)」と言われる
全国共通の名前が付けられるようになったのです。
植物図鑑等に一般的に使われている植物名がこれにあたります。
どうやって付けたかというと、明確なルールは無いのですが、
だいたい関東を中心に多くの人が使用してきた習慣的な名称で、
一番多くの人に親しまれ、普及している名前が選ばれて付けられているようです。

これに従うと、さっきの山菜の標準和名は
ウルイは「ギボウシ」、ミズは「ウワバミソウ」、
シケド又はキノシタは「ヤブレガサ」、
アイコは「ミヤマイラクサ」という事になります。

中には私たちが標準和名と思っている名前が、
じつは勘違いしている植物もよくあります。
例えば春先に田んぼで咲いているレンゲですが、
本当の標準和名はゲンゲと言うんですよ。

万葉の時代に多くの人に呼ばれていた植物名が、
今では全く違った呼び名になった万葉の植物もあります。
例えば
「アキノカ(秋香)」と呼ばれていたものは今ではマツタケ、
「あやめぐさ」と呼ばれていたものは、今ではハナショウブのことです。
ややこしいですね。

また春の七草でよく言われる「ホトケノザ」は、
今私たちが標準和名で呼んでいるシソ科のホトケノザではなくて、
キク科のコオニタビラコを指していると言われています。

ところで、もっとややこしい話があります。
それは、同じ植物をそれぞれの国で違った呼び名で呼んでいる場合です。
国別の標準和名があっても、国によって呼び名が違っては
同じものかどうか区別出来ません。
そこで世界中のみんなに同じように認めてもらおうと登場するのが
「学名」による世界共通の名前付けです。
学名とは国際的な命名の約束事によって
生き物に与えられた世界共通の名前を言います。

例えば、皆さんがよくご存知の日本を代表するサクラの種類で有名な
標準和名「ソメイヨシノ」は、学名ではどのように世界共通にして
示しているかを書いてみたいと思います。

世界共通の学名は大きくは、
●属名
●種小名
●原発表の著者名(括弧内に引用)

の3点からなっていて、「ソメイヨシノ」は学名で

Prunus.x yedoensis(Matsum)
プルヌス、エドエンシス、マツムラ

と書きます。
●Prunus はバラ科の中に共通の特色を持ったいろんな小集団グループがあるのですが、
サクラやスモモ、プラムを含むグループ(属)に入るという事を示しています。
●Prunus x.yedoensis、が世界共通の種名です。
●このyedoensis というのは「江戸」 というところで発見されたことにちなんだ植物
ということを示しています。
●Matsumは、この学名を最初に付けた人が松村任三で、
その名前の Matsumura の前半を取ったものです命名者の名前です。
●次の x は「サクラの異種類を掛け合わせてできた植物」であることを表しています。
これで世界のどこに持って行っても他の植物と区別出来るようになっています。 

今日は本当にややこしいお話をしてしまいましたが、
名前をもらっているという事は、生きているという事、
あるいは地球に存在していたという事を皆に認めてもらっているという事です。
いろんな時代を通じて、世界中の人から、いろんな地域の人から、
長い時間、愛されて続けているという証拠かも知れませんね。

2013年5月22日 07:31 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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