どうして嫌われ者になったのか?

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
京都では毎日信じられないくらい暑い日が続いていましたが、ここにきてやっと一雨降りました。
しおれていた木々の葉も元気を取り戻して青々しています。
大覚寺大沢池では今年は例年に比べて1週間くらい早く、赤いハスが見事に咲いています。

先週、このハスが一番奇麗に咲く朝の8時頃をねらって、古風な楽しみ方の一つである「蓮の香り」を嗅ぎに行ったときの事です。
池の脇にあるクヌギの木には、樹液を求めてカブトムシやコガネムシなどがたむろしていました。中には虫同士で蜜を巡って喧嘩をしている姿も見られました。
根もとに空いた小さな樹洞を覗き込むと、クワガタムシがもそもそと動いていました。
ハスのツンとした香りも素敵なのですが、虫達の蜜を求めて動き回る姿を見ているのもなかなか楽しいものです。

さて今日は、ちょうど私がしゃがんで樹洞を覗き込んでいたときのお話です。

足もとの草むらから黒い塊がもそもそと動いて、私の靴と地面の僅かな隙間に入り込んで止まります。
あれ?っと思って足をあげると、また何処かの隙間探しをするかのようにもそもそと小刻みに動いて、今度は草の根元の隙間に頭から入り込んで止まります。
何だろうと目を凝らして観察してみました。

体長は4cmから5cmくらい。姿はカブトムシのような形で、クワガタムシのように脚の周りは鋭くトゲトゲした形をしています。でも背中はカブトムシのようにがっちりしていません。
むしろ、むしろ、姿を見ただけで皆が悲鳴を上げて追いかけ回す、あの嫌われもののゴキブリに似ているのです!っというか、この虫は正真正銘のゴキブリでした。
一瞬、え!とその大きさに後ずさりしましたが、でも妙に愛嬌があるのです。
手の上に乗せて遊びたくなるような感じです。
この虫の名前は「オオゴキブリ」と言い、絶滅危惧種に指定されています。

実は、ゴキブリはシロアリに近い仲間なんです。
そしてゴキブリは日本には50種類以上もいて、その大半は森林に棲んでいます。
そして驚くなかれ!
「世界に生息するゴキブリの総数は1兆4,853億匹ともいわれており、日本には236億匹(世界の1.58%)が生息するものと推定されている」とあります。

今回発見した(というより遭遇した)オオゴキブリは不潔でもなんでもない、森の中で朽ち木を食べて暮らす愛嬌者なんです。
このオオゴキブリがいると言う事は、森の環境が健全だと言うことを示しているとも言えます。
ネットで調べてみましたら、子どもが手に乗せて遊んでいる画像がありましたよ。

私たちが「キャー!」と声をあげて追いかけ回す「嫌われ者ゴキブリ」は、チャバネゴキブリとクロゴキブリと言います。
どちらも荷物にくっついて船に乗って日本にやって来た外来種なんです。
家に棲みつき、食べ物をかじったり、紙や布をかじったりと暴れ者です。
一説ではサルモネラ菌を持っていて中毒の原因になるとも言われていますが、はっきりした事は分かりません。
これらの家に住むゴキブリの種類は、全てのゴキブリのうち1%にも満たないごく僅かなんです。

ところで、この本当に可愛いオオゴキブリはよく見ると羽が途中でちぎれています。
調べましたら「羽が完全なオオゴキブリは珍しい。集団生活をするオオゴキブリは互いの羽をかじり合ってしまうのだそうだ」と書いてありました。
森林で生きるのも結構大変なんですね。

かなり前の事ですが、日本にエリマキトカゲを紹介したヘビ先生として有名な故・千石正一氏が、新聞に意見広告をだしました。タイトルは「ゴキブリの嘆き」でした。そこには、「何故私は訳もなく嫌われるのでしょうか、皆さんに害を及ぼした事がありますか」「誰かが嫌いにさせたんだ」と言う内容だったと思います。千石氏によるゴキブリ君に代わっての必死の訴えでした。

はじめは、ネズミとシロアリが、次にハエが、続いてカが、そして今はゴキブリ君が、最近ではダニ君と一緒に扱われて、嫌われものの代表にされてしまっていますが、今までの中で一番悪さをしない生きものだと言う事を少しは知って下さいね。
(でも、そうは言う私もオオゴキブリは触れましたが、他のゴキブリは触れません。ゴキブリさん、ごめんなさい)

2013年7月31日 09:05 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

オオゴキブリの画像、初めて拝見しました。
こういう人畜に被害を及ぼさないゴキブリナラ「ゴキちゃん」と、ちゃん付けで呼んであげたくなりますね。
なんせ「ごきぶり=悪魔」というイメージが定着してしまってるんで。

Posted by: かいもん | 2016年4月 2日 10:33


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