時計模様のトケイソウは「十字架上の花」?

皆さん、京都ではいよいよカエデの葉が色づき始め、サクラの葉はもう奇麗な赤ピンク色に変わって街路を飾っています。
今年の紅葉は期待できそうですね。
今日は、我が家のとなりの川本コーヒーによくいらっしゃるアマチュア写真家の羽柴さんが撮った写真のお話をしたいと思います。

壁に京都植物園で撮影された一枚のトケイソウの写真が飾られていました。
この植物の実は、私たちがよく知っているパッションフルーツです。
まさか、あの奇妙な模様をした花が、私がよく飲むパッションフルーツジュースだなんて。

ちょっとこの名前の由来を調べましたら、日本では花の表面の模様が時計に似ていることからこの名前が付いたようですが、英名ではパッションフラワーと呼んでいるそうです。
この意味は、16世紀に原産地である中南米に派遣された宣教師が、有名な聖フランチェスコが夢に見た「十字架上の花」と信じ、現地名を訳してパッソンフラワーと名付け布教に利用したんだそうです。「花の中央にある種の出来る部分が十字架、雌しべがイエスを張付けにした釘、10枚前後の花弁等は10人の使徒、巻きひげはムチ、葉は槍としてキリスト受難の花という意味をこめた」そうです。

じつはこの植物には一つの思い出があります。今から十年前くらいの事ですが、チャールズ・ダーウィンが進化論を考えるきっかけとなった南米エクアドルのガラパゴス諸島の調査に出かけた時の事です。
この島では、ここでしか見られない独自の進化をした固有の植物がたくさんあります。
たとえば、皆さんはキクと言えば野菊の様な草花を思い浮かべると思いますが、この島では10m以上の樹木になる「スカレッシア」というキク科の植物があるのです。
花はキクの花なのに、形は立派な樹木なのです。ビックリです。
本当に不思議一杯の島なのです。

そんな不思議な島で大問題が起こっていました。
それは、食べ物などと一緒にこの島に野生のトケイソウの種が持ち込まれてしまったのです。
島中にはびこってしまい、元々生息していたこの島の植物の生存を脅かしているのです。
日本では鉢に植えられたり、ジュースで飲まれたりと愛されている植物も、この島では外来種です。
これは一大事と、この島の進化を研究している研究者や国立自然公園局の人たちが島民の協力を得て駆除に乗り出していました。

私が訪れた時、ちょうど島の夫人達による駆除プロジェクトが動いているときでした。
島中の子ども達に、このトケイソウの実を集めさせるのです。
野生の花や実は私たちが知っているものとはかなり違っていて、実はせいぜい2cmから3cm位の大きさです。
でも、島中の何処にでも繁殖している厄介者となっていました。
食べてみましたが意外と美味しいんです。
夫人達はこの集めた実から種を取り出し、お湯で煮て、そのあと乾燥させていました。
どうするのかと不思議に思っていましたら、乾燥させた種をクマさんの形をしたぬいぐるみの中身にぎっしりと詰めていました。
そしてこの出来上がったぬいぐるみで「環境保全に協力を!」と観光客に訴え、お土産品として売る事で、外来種退治と生活資金の一部に充てるという運動をしていたのです。
私も2個ほど買って触ってみましたが、意外とふにゃふにゃしていて触り心地が良く優れものでした。

ガラパゴスでは人々を救ったイエスキリストを象徴するものではなく、逆に島の植物に受難を与える側になっていますが、島の自然を回復させるためにも、もし皆さんの中でガラパゴス諸島に行かれる機会がありましたら、ぜひこのお土産を買って下さいね。

2013年11月 6日 11:17 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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