嫌われ者を友達にして生きる知恵とは?

皆さん、やっと暖かくなってきましたね。
皆さんの近くで桜は咲いていますか。
京都では4月上旬の入学式の頃には満開になりそうです。

先日、まだまだ雪が残っている岩手県奥南部地方に調査で行ってきましたが、私が行った前日にも雪が降り、かなり積もっていました。
今日はそんな雪の中で、たくましく咲いている早春のお花のお話しです。

1週間くらい前ですが、山野草の寺で有名な京都嵯峨野の常寂光寺に行った時の事です。
竹林に濃い紫色の花があちこちに咲いています。
近寄って見ると、それは長尾住職さんが植えて育てたザゼンソウの花でした。
にっこり笑って「先生、植えてから数年経ち、ようやく増えてきました。春一番の花です。見事でしょう」と自慢そうです。

そういえば去年のちょうど今頃、二戸の山の中で、雪の積もった湿地でも咲いていたのを思い出しました。

この植物の奇妙な名前は、花に当たる棒状の部分を包み込むように、地面から突き出た紫色の花の形が、仏像の光背(こうはい)の形に似ているのと、お坊さんが座禅を組んでいるときの姿形にも似ているところからこの名が付いたようです。別名「達磨草」とも言うそうです。

このザゼンソウには面白い事が2つあります。
この植物の周りの雪だけが溶けているんです。

もう一つは、近寄って臭いを嗅いでみると分かります。

一緒にいた友達に臭いを嗅がせると「臭い!」と、しかめっ面になりました。
そうなんです。
とても臭い匂いを発しているんです。
皆さん、どうしてだと思います?

この植物は、他の植物より一足早く花を咲かせようと、時期を見計らって発熱して、雪を溶かす仕組を持っているんです。
まだ雪が積もっているにもかかわらず、花を咲かせる時には、紫色の花びらに包まれた真ん中にある棒状の花の部分が最大25℃まで発熱するんだそうです。
この熱のせいで、周りの雪が溶けていち早く雪の中から顔を出す事が出来るんです。

このような特色を持つ理由は、他の花の咲いていない寒い時期に花を咲かせれば、競争相手が少なく、優先的に虫を呼んで受粉させ、タネを作り、子孫を残しやすいと言えます。
ところが、問題が発生です。
虫たちは寒がってほとんどいないのです。
そこでザゼンソウは考えたんですね。

ふと見るとこの時期、他の虫よりも早く成虫になって飛び回っている虫がいたんです。
その虫は、あの嫌われ者の「ハエ」でした。
「この時期に、このハエを自分の所に呼び寄せる方法はないものか?」
よく観察してみると、このハエはどちらかというと臭い匂いが大好物!
「よしそれなら、僕も臭い匂いを出して来てもらおう!」
と、作戦を立てて実行に移したらしいです。
作戦は大成功です。
今では、他の植物の生えにくい寒い地域の湿地で、ハエを子孫作りの仲間にして、悠々と生活しているのです。
皆さん、もし山の中でこのザゼンソウ見かけましたら、鼻をそっと近づけてみて下さいね。

そう言えば、花の大きさが3.5mにもなるスマトラ島のショクダイオオコンニャクや世界一大きい花と言われるボルネオ島のラフレシア等も強烈な臭い匂いでハエを仲間として取り込んで、子ども作りを頑張っているんですよ。
嫌われ者のハエも結構役に立っているんですね。

2014年3月26日 17:50 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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