ショウブ湯の文化を残して! 日本通の仲間を世界に作ろう

旧暦の端午の節句は男子の節句とされ、甲胃・刀・武者人形などを飾り、庭に鯉のぼりを立てて男子の成長を祝います。

でもこんな道具がない時代には、野にはえるショウブの葉が刀に似ていて、また邪気を祓うような爽やかな香りを持つことから、ショウブを家の戸口にかけたり、「菖蒲洒」を飲んだりして邪気を蔽う行事を行い、子どもの成長を願っていたそうです。
なんでも疫病が流行ったり、政変が絶えず、世の中が不安な時代だった奈良時代の聖武天皇の頃(約1,300年くらい前)から始まった習慣だと言われています。
平和や健康への願いが込められていたんですね。
我が家でも毎年この時期には、ショウブを八百屋さんから買って来て、お風呂に入れて縁起をかついでいます。
お風呂屋さんでもショウブが入っていて、浴槽の中であの葉をいじっては、何とも言えない独特の香りを楽しんでいました。
皆さんの家ではいかがですか。
そういえば、ショウブには次のような伝説があります。

山姥(やまんば)を女房にした男がその正体を知ってしまいました。
女は山姥に身を変えると男を捕まえて風呂桶に入れ、みんなで食べようと仲間のいる山に急ぎました。
そして仲間に大声で言いました。
「ごちそうを持ってきたわ。早くおいで」
桶からの脱出方法を考えていた男は蓋をあけ跳び上がると木の枝に掴まりました。
脱出に成功し男は逃げましたが、山姥が追いかけてきます。
やぶに逃げ込むと、そこにはショウブが沢山生えていました。
男はその中に身を沈めて隠れました。
すると山姥はその植物の匂いが大嫌いだったのです。
「あ! 駄目だ。あの草には毒がある。体が溶けてしまう。ここまでだ」
山姥は、あきらめて山に戻り、男は難を逃れたのです。

日本では昔からこのような話を語り継ぎながらショウブの効能を信じ、毎年購入して楽しんでいるのです。

ややこしいのですが、この「ショウブ」の名前をつけた「ハナショウブ」という植物があります。
同じ植物と思っている人も多いのですが、両者は全く別の植物なのです。
ショウブはサトイモ科の植物で本当に地味で、花はまったく目立ちません。
一方、ハナショウブはアヤメ科の植物で、ご存知のように目立ってきれいな花を咲かせますが、ショウブのようにスラーとした葉の形をしてはいません。
そこで華道では端午の節句でお花を生ける時、ショウブの葉にハナショウブの花をあわせて一緒に生けてみせるのです。
本当に素敵な日本ならではの伝統的な習慣だと思います。

ところで、先日ですが衝撃的なニュースが流れました。
「ショウブ湯が京都のお風呂屋さんから消える」というのです。
今まで京都府には、お風呂屋さんにショウブを提供するため、三軒の農家が栽培していたのだそうです。
でも、お風呂屋さんの数が減ったり、ショウブ湯をやらないお風呂屋さんが増えて、昨年、生産農家は二軒になってしまい、ついに今年は一軒になってしまったそうです。
もはや京都のお風呂屋さんに供給できないというのです。

日本を代表する古都京都からショウブ湯を楽しむ習慣が消えようとしているのです。
悲しいですね。
今観光でクールジャパンキャンペーンを展開し、外国から多くの方々を京都にお迎えしようと動いていますが、このような習慣こそ残して、本当の日本のすばらしさを体験し、日本を楽しんでいただく日本通の観光客仲間を多く作りたいものですね。

「日本固有の伝統行事や生活習慣の体験を通じて、日本文化のすばらしさを味わってもらいましょう!」

このようなことを体験する観光の推進こそが、多くの日本ファンを世界中に作り、世界の平和につながるのではないでしょうか。
そしてこのことが、日本のすばらしい自然や一次産業を保全継承することにつながるのです。
ぜひご協力をお願いします。

2014年6月 4日 08:50 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

ふしぎの森のふしぎ先生!! おはようございます、生物が好きで、いつも楽しみにしてます。五月にしようぶ湯の由来と、物語は、とても興味深いですね、しようぶの葉を、絶やさないでほしいです、知らない事ばかりで、読むのがますます嬉しくて、ふしぎの森に入ってしまいました。

Posted by: なりこ | 2014年8月20日 11:28


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