大覚寺の御神木が危ない! ------カシノキナガキクイムシの猛烈なアタックーー

皆さんお元気ですか。
暑くてむしむししていて生活しにくい日が続いていますがいかがお過ごしですか。

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先日ですが、シイノキの仲間を枯らす虫の生態と防除技術の実践的応用研究をしている友人の小林正秀先生から、「真板さん、大覚寺大沢池のほとりのシイの御神木(ごしんぼく)と呼ぶにふさわしい、風格のある巨木にカシノキナガキクイムシが攻撃を開始しました。一ヶ月前にお寺に予防法を言ったのに、対応されていないので枯れます。危険です。一大事です!」と連絡が入ったのです。
本人は電話の向こうで大きな声で危機を訴えています。
私はこの聞き慣れない虫の名前に、「え! カシノキナガキクイムシ?」と聞き返してしまいました。

先生曰く!
この虫に襲われると、樹木の周囲に穴をあけて潜り込み、標的になったシイ、カシ、ナラなどの樹木は夏場に枯損(こそん)が深刻化し枯れてしまうと言うのです。


「いま、この御神木には約300個の虫があけた穴が見られ大変なことになっています。このままでは早くてこの秋、遅くとも数年のうちに枯れてしまう大事件になりますよ」と言うのです。
そしてさらにびっくりする事実を教えてくださったのです。

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「最初に育ったカシノキナガキクイムシの幼虫は、次に生まれた幼虫を育てます。一組の親から30から50匹、多くて100匹の子どもが生まれると言われています。このように繁殖力が非常に強いため、一気に被害が拡大するんです。簡単に言うと、10匹から一年後には300から500匹、最大千匹の虫が飛び出すと言われています。いま300個の穴が開いていますから、推定9,000匹から15,000匹が生まれてこの木を食い尽くすことになるんです!」

これは大変だと、現地にいる小林先生に会いに飛んで行き見てみると、なんと!
御神木には幹に直径 2mm ほどの小さな穴が無数に空いています。
ちょうど爪楊枝の先が5mmほど入るくらいの大きさです。
その穴の多いこと!
これはえらいことだと、私は大覚寺に作業許可を取りに走り、危機的状況を伝えました。

すぐさま、お寺の職員の方と防除作業の開始です。
いっぽうで私は京都嵯峨芸術大学エコツーリズムゼミから、生き物大好きの優秀な岡君をはじめとする学生3名を呼び出しました。

まず、あいた穴に殺虫剤を吹き込みます。
そしてその穴から出てくる仲間を呼ぶフェロモンの発散を阻止しようと、爪楊枝を差し込む作業を開始したのです。

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つぎに、嵯峨芸大生3名も参加して防虫ネットを御神木に巻き付ける作業です。
同時に、カシノナガキクイムシは巻き付けた防虫ネット上を歩いて、隙間のある幹上部を目指し入り込もうとします。

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これを防ぐためには、被覆した防虫ネットの最上部をビニールテープで被覆する必要があります。
そこで上部の隙間からも他の虫が入ってこないように、脚立を使ってしっかり固定する作業もしたのです。

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炎天下での汗だくの作業は4時間に及びました。
御神木は推定450年のスダジイの巨木です。
なんとか危機的な状況への対応はできたようです。

いままではそれほど顕著でなかったような樹木の被害が、ここ数年の間に全国で続出しています。
皆さんの周りでも、このような樹木が突然枯れるといった現象が起きていないか気をつけていてくださいね。

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2014年7月16日 09:20 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

うあっわあ~たいへ~ん!それから良かった~良かった~。ひとまず安心して良いですか?ネ。450年もじっと世の移り変わりを佇んで経てきたんですからね。

Posted by: まっつん | 2014年7月16日 12:03


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