種子作りと平行した「クローン型子作り戦略」とは

こんにちは。
台風が次々に発生して大変ですが、皆さんの地域では被害はありませんでしたか。
私の家の周りの植物達はせっかく花が咲いて実がなろうとしている時期だったのに全滅です。
今日は、そんな過酷な環境を予測して、しっかりと子孫を残そうとがんばっている植物達の知恵のお話をしようと思います。

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以前、小笠原島に行ったときのことです。
道端に奇妙な植物が植わっていました。
背の高さは30cm位で、よく見れば葉っぱの淵一面に小さな親とそっくりな小さな葉っぱがびっしりとついているのです。

「これなんですか?」と近所のおばさんに聞きましたら、「ハカラメ、って呼んでますよ。提灯草(ちょうちんぐさ)とも言ってます」と教えてくださいました。
なるほどこの名は、「葉から芽がでて、それがポロッと地面に落ちて、また親のような植物に育っていく」ことから来ているというのです。
なかなか言い当てている名前です。
後で調べましたら標準和名は「セイロンベンケイソウ」と言うのですが、もうひとつの提灯草の名前の由来は、花がついた時、提灯を棒の先にぶら下げて持っている姿形に似ていることからついたようです。

この植物を見て同じような植物と以前出会ったことを思い出しました。

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沖縄県西表島に行った時のことです。
一枚の葉の大きさは60cm、茎からの全体の大きさは2mほどもある大きなシダなのですが、ハカラメ同様、葉の表面のあちこちに、小さな苗がいっぱい出来ているのです。
ガイドさんに聞きましたら「この親そっくりの苗のような芽は、地面に落ちると小さな葉を広げ、やがて親と同じような大きさまで育っていくんですよ」と解説してくれました。
このシダの名前を「コモチシダ(子持ち羊歯)と言い、名前の由来はこの芽を子どもに見立てたことから来ているのだそうです。


ところで、良く周りを観察してみると、子孫残すために「種子」ではなく、このようなクローン的な子どもを作って子孫を増やしていく植物って結構ありました。
たとえば葉の付け根に親と似た様な数枚の葉ができるのが特徴の「コモチマンネングサ」があります。触るとぽろりと落ちて、もとの親と同じような姿に育っていきます。
葉の付け根に子どもを作って子孫を増やすこのような植物はほかにも、山菜として油で揚げたり蒸したりして食べると美味しい「ヤマイモのむかご」等もありますね。

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普通、植物は自分の子孫を後世につないでいくために「別の個体から新しい遺伝子を取り込んで、環境に適応できるような多様性を持った子孫を維持するための種子をつくる」方法が一般的ですが、それだと多大なエネルギーを必要とするので、もしものことを考えて省エネ型で確実に個体数を数多く親の周りに増やすために、種子作りと平行してたてられた作戦が、この「クローン型子作り戦略」だと言われています。
台風の様な「過酷な環境が襲ってきても子孫を残す」ための知恵なんですね。

よく探してみると、他にもこのような作戦をたてている植物を見ることができるかもしれません。
見つけたら、そっとその子どもを持ってきて鉢に植えて育ててみませんか。
種から育てるより結構育てやすいので楽しめますよ。

2014年8月13日 09:05 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

ふしぎな森のふしぎ先生、新記事楽しみに待っておりました。ソテツもこの部類ですか?それとも枝?ですか。毎年ころころと芽吹き困ってしまいます。鉈で毎年欠き落としていますがソテツも必死なんでしょうね。

Posted by: まっつん | 2014年8月13日 10:55


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