秋はあっちもこっちも香の季節!

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もう秋真っ盛り。
日差しの中で時折そよぐ風にも肌寒さを感じる季節になりました。
京都の町中は辺り一面キンモクセイの甘い香りで満ちあふれ、気分を和らげてくれます。
一方、道端に散らばっている銀杏の匂いには、食欲をそそられてしまいます。
桧原村の庭では、もうだいぶ少なくなりましたが女郎花(オミナエシ)が咲いています。
女郎花の花は、近寄ると本当に臭く耐えられないのですが、遠く離れてかぐ匂いは独特の心地よい香りがします。
そのせいでしょうか。
ちょっと前までアゲハチョウをはじめいろいろな昆虫がこの花にやって来ていました。

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つい先日のことなのですが、隣の川本コーヒーのテーブルの上に絶滅危惧種でもあるフジバカマが生けられていました。
隣に座ったアマチュア写真家の羽柴さんが、にっこりして「先生、これフジバカマですね。この花、日本中を渡ると言われているアサギマダラという蝶が大好きだそうですよ。場所によっては、この花にアサギマダラがぶら下がるように群がっているのを見ることが出来るそうです」と言って、一匹だけでしたが、京都植物園で撮ってきたフジバカマの花に、しっかりとしがみついてぶら下がっているアサギマダラの写真を見せてくださいました。
きっとこの匂いに食欲を注がれているんでしょうね。

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ある本で読んだのですが、植物が発する香りは、虫達に警戒心を解かせて、食行動と結びつけ、抵抗なく自分に引きつけるための大切なコミュニケーション手段なんだそうです。
虫達だけでなく私たちも空腹を覚えてふらふらと近づいて行きそうになりますね。

秋の匂いと食欲と言えば、先日私のよく通う京料理屋の『ようしん』さんから「先生、ついに二戸市川又集落からいつもの秋の香りが届きました。是非おいで下さい」と連絡が入りました。
岩手県二戸市では毎年、香茸(こうたけ)を届けていただくようにお願いしてます。
私は香茸を土瓶蒸しとオムレツ、天ぷらにしていただきました。
その香ばしさと味は松茸の比でありません。

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ところでこの香茸という茸を皆さんはご存知でしたか。
実はこの茸は江戸時代、松茸なんかとは比較にならないくらい高価な食材として扱われていたんです。
この茸は名前が示すように、松茸やイタリア料理に使われるポルチーニに負けない位というより、もっとそれ以上に食欲をそそられる香りを発する茸なのです。
乾燥させると、よりいっそう強い香りを発します。香茸のカサは直径が10~20cm、形状はアサガオの花の様な形をしていて、見た目はグロテスクで表面は刺が出たようにささくれています。
色は焦げ褐色系で薄いものから濃いものまで様々です。
決してかっこいい茸とは言えません。
しかしこの香茸の香りは、人間だけでなくあの嗅覚が鋭いマムシも好むそうでそうで、味は一流なのです。

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噂では「香茸を見つけたらまず周囲にマムシがいないか確認しろ」と言われているそうですから、結構収穫には注意が必要ですね。
これからがシーズン本番です。
是非皆さんも機会があったら食べてみてくださいね。
じつは秋の香りは、虫達を引き寄せ食べてもらう代わりに、子孫を残すお手伝いをさせているんですよ。
何の役にも立っていないでただ食べているのは、人間だけなんです。
いつも申し訳ないと思います。
その分、いっぱい感謝して秋の味覚を楽しみましょうね。

2014年10月22日 09:24 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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