二億年の時を見続けてきた秋の黄葉

みなさんこんにちは。いかがお過ごしですか。
今秋、京都は気温の差が大きいためか、紅葉が見事です。

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紅葉と言えば街路樹のイチョウの黄葉も輝きを増し、散った葉も黄色の絨毯となって足下を埋めつくしています。
今日は、この秋の黄葉を演じるイチョウのお話しです。

以前「ハスは恐竜時代の一億五千年くらい前に登場した」と書いたことがありましたが、イチョウはもっと古く、祖先はジュラ紀の二億七千万年前から、今のイチョウに近い種が生存していたと言われています。
本当にたくましい生命力を持った植物なんです。


私たちヒト(人類)の祖先が誕生した600万年前~700万年前より遥か前に登場していて、地球上の生き物が爬虫類からほ乳類へ、そして人間へと変わってくる進化の様子をずーっと見守ってきた貴重な植物なんです。
一番繁殖の盛んな時期には世界各地に17属が存在していたと言われています。
もちろんこの間、全てが穏やかだった訳ではありません。
様々な艱難(かんなん)苦難がイチョウを襲ってきました。
隕石が地球に衝突したと言われている六千五百万年前、地球が冷えて恐竜ですら絶滅してしまった大環境異変のときも、また地球が一番暖かくなった五千万年前の大温暖期の時も頑張って生き抜いてきたのです。
しかし世界中の至る所で繁殖していたイチョウもやっぱり生き物。
人類が誕生したと言われている七百万年から五百万年前の大氷河期時代になって、ついに寒さには耐えきれず絶滅寸前にまで追いやられる危機を迎えたのです。
7属あったイチョウの仲間は1属だけになりました。

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でも、幸いなことに神様はイチョウを見捨てませんでした。
イチョウの最も好きな、周りが開放的で日が当たる環境をもった、今の中国南部の高山地帯の谷間をかろうじて見つけ生き延びていったのです。
でもイチョウには「もはや世界再登場のチャンスは無理か!」と思われました。
ところが近年、偶然中国の山奥で発見され、その実を持ち帰った人間によってイチョウの銀杏の価値、木材としての利用価値、また社寺仏閣での庭園樹木としての利用価値、最近では葉の医薬用としての利用価値など様々なイチョウの価値が多くの人に認められ、人気者となって次々と世界各地に植えられ広まっていったのです。

その中心はアジアからでした。
十八世紀に日本にいたオランダ人からヨーロッパ各地に植えられ、三百年くらいで世界中の分布復元に成功したのです。
ですから、今日自然に繁殖しているイチョウは世界中にはないのですが、人間によって大切に育てられて、今世界に生きた化石として君臨しているのです。
人間がイチョウの生存に深く関わっているなんて知りませんでした。

ところで、銀杏はどうしてあんなに臭いのでしょうか。
植物が仲間を増やしていくには分布域を広げていく必要があります。
当然、イチョウの実である銀杏もその役割を果たしているはずです。
あの柔らかくて臭い部分を動物に食べさせて、私たちがよく食べる部分を糞としてばらまいてもらうという作戦です。

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その昔の恐竜時代をみると、銀杏を食べていたのは草食恐竜ではなかったか?と言われています。
今ではタヌキなどは銀杏の実そのものは食べませんが、よくタヌキの溜め糞に混じっていることが目撃されていますから、タヌキにとって銀杏の実のまわりの臭い果肉部分はチーズの臭さと言ったところなのでしょうか。
丸呑みされた銀杏の実は、結果として種だけが不消化で糞と一緒にばらまかれ種子を散布しているようです。




皆さんは銀杏がお好きですか?
街路樹で黄葉したイチョウの葉と辺り一面臭さを漂わせる銀杏の実を見ましたら、葉を拾ったり臭さ我慢して臭いを嗅いでみてください。
二億年以上前からの黄葉を繰り返してきたイチョウの生命力を貰うとができるかもしれませんよ。

2014年12月 3日 11:21 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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