「ウルシがこんなに美味しいなんて!」

皆さん、暑い日々が続きますがいかがお過ごしですか。
先日、旧南部藩の中心であった岩手県二戸市に行ってきました。
新幹線で行って、ちょうど昼頃に着き、ちょっと時間がありましたので、その駅に併設されている物産センター「なにやーと」に寄ってみました。目的は私の趣味の一つである地場産の蜂蜜をゲットすることです。
蜂蜜は東南アジア、南太平洋、南米、日本各地と調査に行くたびに、季節ごとの植物の違いによって蜜の味にその地域ならではの個性があります。
酸味があったり、香りが独特であったり、甘みが口のなかでしみるほどに後を引くもの、色も透明感があるものから茶色に濁っているもの、はたまた乳白色のものまで様々です。
いろんな地域に行く時はいつもどんな蜂蜜に会えるかとわくわくします。

さて、物産の並んでいる棚をみて物色していた時のことです。
「え!これって本当?」摩訶不思議なラベルが張られた蜂蜜の瓶が棚に鎮座していたのです。そこには「漆ハチミツ」と書かれていたのです。
まさか、漆の蜂蜜なんて食べたら口がかぶれて大変なことになるのでは?と、店員さんに、「これかぶれないんですか」と訪ねましたら、「一回食べたら忘れられない、ここだけでしか作れない、季節限定、地域限定の珍品中の珍品です」とにっこり笑顔で答えが返ってきました。
値段も結構高かったのですが即座に購入し、言葉を信じて食べてみました。
透明感のある薄い琥珀色、口のなかでもさらり感のある粘度、気品さを感じるさっぱりとした甘さのある蜂蜜でした。

実はこの蜂蜜は日本でも有数な漆を採取することで有名な二戸市浄法寺町で採れた蜂蜜だったのです。
今国内で利用されている漆の98%は中国からの輸入に頼っていて、準国産漆はわずか2%しか生産されていないのですが、その国産漆の80%をこの浄法寺町で生産し日本の漆文化を支えている日本一の産地なのです。
浄法寺にいってお話をお聞きしましたら「浄法寺には専業の漆掻き職人が20名ほどおり、また多くの売る篠木の栽培も積極的に行っています。これほど豊富な漆資源を持つのは岩手だけとなっており、独自の漆文化が残る地域です」と教えてくださいました。
この浄法寺町の漆は「以前、金閣寺の修復で中国産の漆が使われたことがあるのですが、数年で痛みがひどくなり、再修理の際にこの浄法寺産の漆で全て修理をしたそうで、そのとき使われた漆の量が1.5トンだったんですよ」と語ってくださいました。
浄法寺産漆は品質がよく、その他、世界遺産の日光二社一寺(東照宮、二荒山神社、輪王寺)や平泉の中尊寺金色堂などの修理修復に使用されているそうです。
資料によれば、浄法寺町の漆栽培が始まったのは一説では江戸時代に盛岡藩が漆の木の植栽を奨励し、品質のよい漆が採れる産地であったと言われています。

このウルシノ木の花は6月下旬から7月上旬頃にかけて約2週間くらいの間だけ黄色い小さな花を房状に咲かせます。
urushi.jpgウルシの花が咲くごくわずかな期間しか採れない花からミツバチ達が集めたものが「漆ハチミツ」なんですね。まさに日本一の漆の産地で採れないハチミツです。

漆器は縄文時代の遺跡から発掘されているそうですから、まさに日本で育った固有の文化の一つとも言えるのではないでしょうか。
皆さんも是非一度機会があれば二戸市によってこの縄文時代からの日本文化を支えている浄法寺町の漆ハチミツを食べてみてはいかがでしょうか。
この独特な味わいを感じてみてください。

追伸です。
この二戸市にはウルシの実を引いたウルシコーヒーを飲ませてくれる喫茶店もありますよ。

2015年8月 5日 18:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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