艱難苦難を乗り越えたイグアナの変身とは

皆さんお久しぶりです。しばらくお休みにしていました。申し訳ありません。
というのも、8月に10年ぶりなのですが、チャールズ・ダーウィンがあの進化論を生み出した南米の赤道直下の南海の孤島群「ガラパゴス諸島」に調査に行ってきました。
これから数回に分けてご紹介していこうと思います。

チャールズ・ダーウィンがガラパゴス諸島に到着したのは1835年9月15日であり、10月20日まで約一ヶ月滞在し、進化論の発想の元となった鳥である「フィンチ」や「ゾウガメ」達と対面したのです。
ダーウィンはガラパゴス諸島滞在時にゾウガメやイグアナ等にも強い興味を示したと言われています。
イギリスに戻ったチャールズ・ダーウィンは1859年『種の起源』を刊行したのです。
今回はチャールズ・ダーウィンがガラパゴスで興味を持ったと言われるイグアナを紹介したいと思います。

このガラパゴスにはよく見られる種類として「ウミイグアナ」と「リクイグアナ」が生息しています。
赤道直下の海水温が異常に高くなる秋の終わりからクリスマスの頃にかけて起こる気象現象をエルニーニョ現象と呼んでいますが、その時、米大陸では大雨が降り、川が大洪水を起こします。
この時、イグアナは南米大陸から流木に乗って、千キロ離れたこの島にやって来たのではないかと考えられています。

「ウミイグアナ」は餌を海に潜って岩に張り付いている海草をかじって食べます。
長時間潜っているとからだに蓄えた酸素が無くなり、また体も冷えてくるので陸上にあがり、太陽に向かって体を並べて暖めます。umiiguana1.jpgiguana3.jpg何十匹ものウミイグアナが海岸の岩場に所狭しと並んで、体を暖めている姿をよく見ることがあります。
そのため、ウミイグアナの顔は横から見ると扁平で岩に顔を押し付けやすい形に変えています。
また海の中で岩にしがみついて体を波に流されず、固定しやすいように爪の先が鋭く尖っています。


一方「リクイグアナ」は海に潜りません。
好物は陸上のサボテンの花や葉、実です。
木の登れないリクイグアナはそれらが落ちてくるまでサボテンの木の下でじっと待っています。rikuiguana1.jpg
iguana7.jpgこのため、サボテンをかじってパクパクと食べやすいように顔は横から見るとやや細長めで、口の周りはサボテンの針が刺さっても痛くないように分厚く丈夫に作られています。
また、紫外線の強い赤道直下でじっとサボテンの葉や実が落ちてくるのを待つため、皮膚はウミイグアナに比べて分厚く鎧のようになっているのです。
海と陸の食べ物を食べやすく、また過ごしやすいように、環境にあわせてでそれぞれが形を変えていったのです。

その昔、ウミイグアナは海に潜れば海藻はいくらでもあるので飢えることはありませんでした。裕福な生活をしていたのです。
しかし誤算がありました。異常に海水温のあがるエルニーニョ現象が数年に一度彼らを襲ったのです。
海の中の海藻はその熱さ故に溶けてなくなり、食べるエサが消えて、餓えが始まったのです。
必ず何年かにいっぺん怒る恐怖のエルニーニョ現象。
そんな時、ガラパゴス諸島ではウミイグアナの70%から80%が死んでしまう時があるのです。
こんな艱難苦難に直面していたウミイグアナのある集団は決断します。
「思い切って陸に上陸して豊富なサボテンを食べよう」これが海の生活を見切り、陸への生活のチャレンジを試みたリクイグアナ誕生の瞬間だったのです。

進化とは豊かな環境で起こるものではなく、厳しい環境の中でどうやったら子孫を残して生きていけるのか!と知恵を振り絞って生死をかけて行動し、勝利した生き物の結果なのです。
そういえば、最近、また新しいチャレンジがこのイグアナ達に始まっているとの報告がありました。
それはウミイグアナとリクイグアナの両方の特徴を持った交雑種が生まれていると言うのです。
私は今回見ることができませんでしたが、鋭い爪を持ち、厚い皮を身につけ、サボテンの刺をものともしない分厚い唇を持ち、サボテンに登ることの出来るイグアナ誕生の報告でした。

この種がこれから生き残るのか皆で見守って、どんな種へと変化していくのか注目してください。

2015年9月 9日 20:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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