知恵を絞る努力の鳥「ガラパゴスコバネウ」

皆さんこんにちは。お元気ですか。東京はまだ寒さをさほど感じないのですが、札幌は木々の葉が散り始めキャンパスを埋めています。夜は寒さが辛くなってきました。
今日はガラパゴスの生き物について最後のご報告をしようと思います。

●生き残った脅威の回復力「ガラパゴスコバネウ」

前回もイグアナでご紹介しましたが、ガラパゴスの生き物達が進化をしてきた最大の理由は、エルニーニョ現象による生きるか死ぬかの選択をせまるこの秋から12月にかけて5年おきくらいに発生する、海水温の上昇現象です。
海中の海草は暖かさのため溶けてなくなり、そのために魚達が島の周りから姿を消します。
その結果、海鳥のえさがなくなり飢え死にしてしまうという連鎖が産まれているのです。
ガラパゴスに棲み続けるには、この艱難苦難を克服する知恵がなくては絶滅あるのみです。
今日はこの状況を乗り越えたガラパゴス諸島のある鳥の知恵をご紹介したいと思います。
その名を「ガラパゴスコバネウ」といいます。

ガラパゴスコバネウ.jpg1982年、恒例のように激しいエルニーニョ現象が発生しました。
餌がなくなってしまったガラパゴスコバネウは当時総数で1500羽と言われていましたが、何と1983年には、半数以下の400羽まで減少してしまったのです。
大打撃です。しかしなんと5年後の1987年には元の数まで完全回復しているのです。
この回復力の知恵というか底力は何なのでしょうか。

●この鳥にそんな底力があったのか!驚きの事実
実はこの鳥、ある特殊な知恵を振り絞って、身につけていたのです。それは「多夫一婦性」という知恵でした。
資料を引用しますが、「ガラパゴスコバネウ」は通常2-4個の卵を産みます。
雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は5週間くらいで雛は孵化し、8週間で一人前になって巣立ちます。
実は巣立ってから後4週間は巣の周辺で生活し、父親のみから食物を与えられて育てられるのです。
母親はといいますとこれがすごいんです。
「子育てしている暇があるなら、私はエルニーニョで多くの子供が飢えて死んでしまうのはもういや。それに備えて、子育ての時間すらもったいない。私はその間に相手となる男性をいっぱい探して、卵を産めるだけ産み、自分の遺伝子を残すために子供を増やし続け、生き残る数を少しでも確保しよう!子育てはお父さん、お願いね」という男性から見れば、ちょっとかわいそうな知恵をあみだしたのです。
これぞ生き残りの必殺技「多夫一婦性」だったのです。

●もともと適応力の強い鳥だった
「飛ぶことをやめてしまった鳥」ということでも有名なんですが、この鳥はどうも元々努力家でいつも生き残るための努力を怠らずに頑張ってきた鳥のようです。
皆さんは「長良川の鵜飼」いという伝統的な行事をご存知かと思いますが、あの鵜はウミウを捕まえてきて、飛べないように風切羽をカットして鮎の捕獲に使っているのです。
ガラパゴスコバネウは、ガラパゴスにこの鳥をねらう天敵がいなかったため、逃げるための羽が必要でなくなっていたのです。
むしろ海にもぐって魚を捕獲する上で邪魔だったとさえ言えます。そこで空を飛ぶために持っていた風切羽根を捨てて、その代わりに潜水能力を今まで以上に発達させ、エルニーニョ現象が発生するまでの間にできる限り多くのえさを捕獲し、いっぱい卵を産む、育てる、といった体力をつけるように体を作り上げていったのです。これが進化するって言うことなんですね。

既成の概念にとらわれず、知恵を絞る努力の連続が、「生き続ける」っていうことなんですね。
私たちも学ばなければならないことがいっぱいあったガラパゴスの旅でした。ぜひ、皆さんも一度は訪ねてみてください。
学ぶことがいっぱいあると思います。

2015年10月28日 10:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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