「今年の早期開花は何の知らせか?」

 皆さん、寒いのか暖かいのかよくわからない気候ですね。周りを見ると初夏のツツジが今咲いていたり、あまりにも暖かい日が続いたせいで、何時葉っぱを落として良いのか迷っているうちに、切り落とすチャンスを失って晩秋の紅葉の姿のままになっている木々、かと思えば2月中旬頃に咲くはずのサザンカやロウバイ、ウメの花が満開になっていたりと、本当に異常としか言いようのない状態になっています。

 これは南アメリカ側の赤道直下の海水温が異常に高くなるエルニーニョ現象が原因だと言われています。このことでひとつ気がかりなことは、以前皆さんに紹介したガラパゴス諸島ではこの現象により海水温が上昇、その結果海中の海藻が溶けて動植物プランクトンの発生が極端に少なくなったことにより魚類がこの島の周辺からいなくなってしまったのです。そして魚を餌としていたペンギン、ペリカン、ウミイグアナ等の餌が無くなり飢餓状態になって、多くの命が失われる状態に陥ったのです。私が赴任した時、何十年かに一度と言われるエルニーニョで海鳥の半分以上が餓死すると言う状況でしたが、今回もそのときの状態の再来になるのではと心配です。

話は戻りますが、この異常とも思われる植物の早期開花は心配もあります。植物が受粉してウメなどが美味しい実をならせるには、この開花にあわせて蜜を吸いにくる虫達の働きが欠かせないのですが、早期開花により虫達の成長とタイミングが合わないと虫に適切な受粉を手伝ってもらえず、実がならないという事態になる恐れさえあるのです。
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 以前、カナダの森林で信じられないほどの虫が異常発生し木々の葉が食い尽くされ枯れてしまうという大ダメージを受けたことがあります。原因は、この虫が発生する時期を狙って鳥類が虫を補食するために森にやってくるのですが、このときは気温が高く鳥達がやってくる時期よりはるかに早く虫が卵から孵って成長し、捕食者である鳥類がいなかったため虫は数を減らすこと無く食べ放題で起こった現象と言うことなのだそうです。

 自然界は何万年と言う時間を費やして、お互いに生きる時間を調整しながら、生きていくことの出来る仕掛けを自然界の温度や湿度、気候等の変化にあわせて組み立ててきたのです。その仕掛けが狂い始めたとしたら大変なことです。もともといた場所にいた生き物がいなくなり、その時期に生まれているはずの生き物がその時よりはるか早く生まれたり、食べられるはずの餌となる生き物がその時いなくなり子供を育てることが出来なくなったりと、次々と連鎖的に問題が発生していく可能性があるのです。この仕組みが崩れると言うことは私たちの生活も変わらざるを得なくなると言うことです。南に住んでいた人に害を及ぼすクモが最近関東でも平気で見られるようになりました。また東北の沖合でとれていたはずの魚がとれなくなってもっと北の方に移動していたり、南の方の生き物だった魚が日本海側で大量にとれるようになったりと、私たちの生活にも影響が見え始めています。

 この問題に、私たちが今すぐに何が出来るのかと言う明確な答えはありません。しかし世界中の人が協力し合って共同で対処することが必要であることは間違いないと思っています。いつか世界中の人がみんなで協力してこの問題に対して行動できるときに向けて自分の身の回りだけでなく、世界中でどのような変化が起こっているのか、起ころうとしているのか注視して下さいね。
 

2016年1月14日 14:16 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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