熱帯に花咲く有用植物とは?

 皆さん一ヶ月ぶりのご無沙汰です。
 その間に海外にも行ったので、今日はその時に出会った植物のお話です。

 2月に今世紀最大ではと言われるサイクロンが南太平洋のフィジー諸島を襲いました。ちょうど雨期の季節です。フィジーのビチレブ等の東部を襲ったサイクロンは風速90mで、海岸に面した集落の家々を一瞬にして吹き飛ばし、ヤシの木を何も残らないくらいなぎ倒していったのです。
 
 私はちょうどそのサイクロンがやってくる数日前に帰国したのですが、フィジアンの友人の家も吹き飛ばされ死者も出たとメールが来ました。

 私が滞在していた時は、毎日気温が35度以上の異常に暑い日が続き、調査に集落を訪れる時はいつも汗だくでした。現地の友人も「雨期なのに何日も雨も降らず、今年は例年になく暑い!おかしいよ」と話していたのですが、やはり異常だったんだと後で悟りました。
 
 後でサイクロンを経験したメンバーに聞いたら、「真板さん、本当に怖かったです。海岸近くのホテルに避難していたのですが、その宿まで波が襲ってきそうで、もっと丘の上の方の部屋まで避難して!といわれて、みんなで一部屋に固まって一夜を明かしました。でも、今度は、丘に吹き付ける猛烈な風で家が吹き飛ばされるのではと?と思われるくらい揺れて生きた心地がしませんでした。」と言っていました。

 そしてさらに加えて、「でもフィジアンはたくましいですね。サイクロンが過ぎ去った後、つぶれた家、倒れたヤシの木を前にしながら、ヤシの実を皆で集めまわっているんですよ」と教えてくれました。長い歴史の経験の中から真っ先にやるべきことを経験として引き継いでいる知恵が蓄えられているのですね。


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 そんなフィジーでみた珍しい植物のお話です。
 
 フィジーは熱帯海洋性気候に属しており日本とは違った色々な植物が生えています。
 その代表的な植物の一つにショウガ科の植物があります。フィジーではカレーに入れる食材として、また産後の肥立ちを良くするメディカルプラントとして大切に利用されています。

 調査でフィジーの世界遺産のある東南岸に位置するオバラウ島の集落を訪ねたときのことです。車を走らせていたら、その道ばたに突然真っ白な大きな花びらをつけた植物の群落が目に飛び込んできました。なんと奇麗なことでしょう。見とれてしまいます。ガイドさんに花の名前を尋ねたのですが答えは帰ってきません。多分、現地では、あまり有用植物として利用されていないのだと思います。

 後日、琉球大学の先生に確認したのですが、「この植物は、正確には何とも言えないのですが、多分コスタススペシオウス(Costus speciosus)だと思います。奇麗で、しかも沖縄では路地でも育つので時々栽培されていますよ。」と教えてくださいました。


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 もう一つ、奇妙なショウガ科の植物がありました。

 歩いている途中でガイドさんが林の中に入り込み、高さ1mほどの真っすぐに伸びた花茎のてっぺんに卵状の蕾がついたショウガ科の植物を採って来ました。ガイドさんは「この蕾を絞ると粘液状の液が大量に出てきますよ。私たちは石鹸の代わりに使用しています。」と言って逆さにして蕾の部分を強く握りしめました。すると、その蕾から粘液状の液体がダラりと垂れてくるのです。ぬるぬるしてシャンプーの濃い液体のような感じでした。フィジーにはこの他にも色々な種類のショウガ科の植物があって有用植物として利用しているそうです。


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 じつは沖縄にもショウガ科の植物で有効利用しているものがあります。
 
 昔、刈ったサトウキビの束を巻く縄の代わりにしたり、お餅を包んで蒸してその香りをつけておく植物で「ゲットウ(月桃)」という植物です。とても派手な色で房状に咲くので目立ちます。また既にご存知の方もいると思いますが、ソーメンには欠かせないお馴染みのミョウガもショウガ科です。
 決して食事の上では主役ではないのですが、この一品が食の味をもり立ててくれる縁の下の力持ちなんですね。


2016年4月 6日 10:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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