悠ちゃんの家庭教師「ダンゴムシ」

 皆さん、梅雨突入ですが、この蒸し暑さはつらいですね。
 
 でも、石の下や湿地等では、ミミズやダンゴムシが「安心して生活できる季節が来たーー!」と大喜びしています。  
 
 今日は、皆からあまり好かれていないダンゴムシの「私たちの子育てに貢献している賢いお話」をしたいと思います。  

 私の知り合いの方のお孫さんに今、2歳半の「悠晴くん」がいます。  
 何にでも興味を持ってすぐ触ってみたり手で捕まえてみたりします。
 
 つい先日の事ですが、悠晴くんは、家の池でオタマジャクシから孵った5mm位の赤ちゃんカエルをめざとく発見したのです。  
 ヨチヨチ、ピョンピョンとはねる動作にすかざず興味を示しました。しゃがみ込むや否や、必死に捕まえようと悪戦苦闘。
 
 数分後に一匹の赤ちゃんカエルをゲットして、自慢げにお母さんに手のひらに乗せてみせています。  
 「わー悠ちゃんすごいねっ!」と褒めてあげると、悠ちゃんは誇らしげに、捕まえたカエルをもっと良くお母さんに見せようと、手のひらの上のカエルをつまんで強く握って腕を上げました。  

 そのときです。
 
 赤ちゃんカエルはつぶれて死んでしまったのです。ちょっと戸惑っている悠ちゃん。  
 でも元気なカエルではなく、もう動かないカエルになった事を悟って、形の変わったカエルの死骸をお母さんの服で拭こうとします。  
 「悠ちゃん、お母さんは死んだのは嫌いだから、私の服で拭かないで。早く手を洗おう!」と話しかけます。  悠ちゃんもわかったのか、お母さんに手を引かれて、家の中に手を洗いに戻って行きました。
 
 聞いてみると、こんな事が何度か繰り返されているそうです。
 
 雨上がりの別の日の事です。  
 今度は石の下のダンゴムシの群れを探していました。いっぱい見つけるとてそれをつかみあげるのですが、死んだまねをして丸くなって動かなくなると、その丸くなった小さなダンゴムシをそーっとつまみ上げて、今度はバケツの中に入れて行きます。  
 いっぱい貯まったバケツからダンゴムシを出したり入れたりして遊んでいるそうです。  
 そのうち、次々と逃げて一匹もいなくなってしまうそうです。 170627dangomushi.jpg  
 このお母さんはもともとそんなに虫好きではありません。むしろ嫌いな方かもしれませんが、悠ちゃんの喜ぶ姿に我慢してつき合っていると言った方が良いのかもしれません。  
 以前、昆虫の研究をしている先生からこんなお話を聞いた事がありました。

 「真板さん、ダンゴムシって幼児教育にとって、とても大切な生き物なんですよ。
 じつは、私たちは子ども達に生き物が死んだ事と生きている事を言葉で教えるのはとっても難しいんです。 
 でも、触って動かなくなっても、しばらくして動き出すのは死んでいない事、まだ生きている事。ずーっと動かなくなってしまうのが死んでしまったという事。
 この事をダンゴムシから子ども達は自然と学ぶ事ができているんですよ」  

 悠ちゃんのダンゴムシを捕まえて遊ぶ姿を見ていて、この言葉を思い出しました。  


 そういえば、病弱で寝たきりだった3歳くらいのとき、中学生位のお兄さんから、山で採ってきたキリギリスを貰ったことがありました。  
 私は初めてみるキリギリスに大喜びしました。  
 でも初めて触った生き物だったせいもあり、不用意な持ち方をして口を触ってしまったのです。血が出るほど指先をかじられてしまいました。  
 あまりの痛さに悲鳴を上げて手を振り払ったとき、キリギリスの首がもげて、死んでしまったのです。私は泣きながら、首を胴体にくっつけようと一生懸命差してみたのですが、二度と動きませんでした。  

 私が、死んでしまった事の悲しさ、どうにもならない死んでしまった事の辛さを最初に感じたときでした。  自分以外の生き物達とのふれあいは、「かわいい、きれい」といったことだけではありません。

 小さな昆虫とのふれ合いは、子ども達に、自分の命をかけて生きる事と死ぬ事、楽しさと悲しさ、ものを触る時の加減の大切さ、生かすための思いやりの心、いろんな事をいっぱい教えてくれています。  

 スマホ、テレビゲームに子どもの相手をさせて時間をやり過ごしているお母さんが多い昨今にあって、私はこの悠ちゃんのダンゴムシ捕まえを、「嫌い」だけど我慢しながら一生懸命つき合っているお母さんは立派だと思います。  
 きっと心豊かな悠ちゃんに育って行くと思います。  

 是非皆さんも、お子さん、お孫さんに、生き物とのふれあう機会を作ってあげてくださいね。

2017年6月28日 12:02 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


コメントを投稿する

ブログの管理者が公開を承認するまでコメントが反映されない場合がありますので、ご了承ください。 また、投稿されたコメントはフジテレビKIDSが企画・制作する映像物や出版物、ウェブサイト、広告宣伝などで利用させていただく場合がありますのであらかじめご了承 ください。