トウモロコシの香りは幼虫の唾液だった?

 皆さん暑い夏をいかがお過ごしですか。
 夏と言えば思い出す食べ物はトウモロコシ、スイカですね。

 先日、桧原村でも売られていたトウモロコシを茹でて食べましたが美味しかったです。
 北海道では、生で食べても美味しいトウモロコシを友達からいただき、丸かじりしましたが、これまた美味しかったです。
 
 今日は、このトウモロコシのお話をしたいと思います。


 資料によれば、「イネ科植物のトウモロコシの原産地は、メキシコから南アメリカ北部地域とされていますが、その原種・原産地は未だ定かではなく、メキシコ、グアテマラ、ホンジュラスのトウモロコシ畑に見られる雑草テオシント(teosinte)が野生祖先種である。」と言う説が有力視されているそうです。まだ謎の多い植物なんですよ。

 昨年ですが、私が調査で訪れたアフリカ南部の国ジンバブエの小さな集落では、トウモロコシを石臼で挽いて粉にし、その粉をお湯で練り上げたものを主食として食べていました。
 口にしてみたのですが、それほど個性のある味ではなく、意外と淡白でした。


 実は、私たちにも人気のあるこの「トウモロコシ」という作物は、外敵から身を守る為に想像もできない技を使うのです。

 トウモロコシはイネ科の植物で、背丈1.5m〜2m位になりますが、その葉は幅広で垂れ下がり、とても目立ちます。
 当然お腹をすかした虫達の美味しい餌になるのは間違いありません。


 以前、モンシロチョウの幼虫と食草の関係でお話しましたが、植物と虫の関係は戦いの連続でした。

 子どもを育てる為に葉に卵を産みつけられ、その幼虫の餌として葉をムシャムシャと食べられるのです。
 たまったものではない植物は防御の為に、その虫に食べられないように体に、毒素を生み出し排除してきたのです。

 でも、そのとき成功しても、また新しいその毒を食べても大丈夫な虫が現れ、毒素の防御壁が壊され、死滅の危機に直面します。
 そうすると、植物はまたその幼虫専用の毒素を体に作り出し、排除すると言った戦いを繰り返してきました。


 ところがです。
 この際限ない戦いに疲れてしまったトウモロコシはある日、新しい防衛方法を考案しました。


 それは「間接防御」と呼ばれ、ほかの生き物に自分の敵をやっつけてもらう方法です。

 トウモロコシは幼虫に食べられた葉の傷口から、独特の匂いを出すことで、
 「ここにあなたの子どもの餌になる幼虫さんがいっぱいいますよ。すぐ来てください」
 と、幼虫の天敵である寄生蜂に、合図として幼虫を発見しやすい匂いを送り、やっつけてもらうのです。

 研究結果によると、食べられたトウモロコシの葉から出る甘い匂いの成分は、「青葉アルコール」、「インドール」など、いく種類もあるそうです。


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 しかし、どの寄生蜂がどの成分をそれぞれ好んで識別しているのかは、まだわかっていないようです。

 葉には、違う幼虫に食害されると、違う組成の匂いが傷口から出てくるように工夫がこらされているようです。

 食べられて、その傷口に特定の幼虫の唾液が付いたときだけ、その幼虫固有の匂いが出てきて、その幼虫を必要とするそれぞれの寄生蜂を呼び寄せる仕掛けになっているようです。
 
 すごい知恵ですね。

2017年8月23日 10:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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