樹木も草花も元は一緒?

 皆さんめっきり寒くなりましたね。
 山の木々の葉は紅葉真っ盛り。

 今年の紅葉は特に見事です。
 一部の木々はもう葉が散りかけています。
 その根元に咲いていたはずの草花はすっかり姿を消して夏の面影は何処にもありません。

 さて、この木々と草花はどんな関係なのでしょうか。

 仲がいいのか悪いのか、助け合っているのか、競争しているのか、どっちが先に生まれたのか・・・、こんな疑問に応えようと、ちょっと考えて見ました。

 植物の場合、生きて行くのに絶対必要なのは「光」です。
 いかに多くの「光」を得ることができるかということが生きていく鍵です。

 植物の進化は、数万年前の太古の時代から今日に至るまで、様々に変化する自然環境のもと、効率よく光を得られる様に、工夫に工夫をこらして、姿形を変えて、選抜試験に生き抜いて来た過程なのです。


 大型の陸上植物は、ソテツやイチョウなどの裸子植物が、ついで被子植物が繁栄します。
 はじめは、この中でも「樹木」と呼ぶ木本(もくほん)が主に繁殖します。

 樹木は光を求める習性が強く、上へ上へと伸びて光を求めるのに対し、一般に草と呼ばれる草本(そうほん)は、樹木が生えにくい、地盤が悪い空間を探して、そこを生きる場として選び、樹木との競争をさけながら生きる事ができる草本へと形態を変え、進化してきたと考えられています。

 言い換えれば、樹木が繁栄できない環境をねらって、草本の形態に姿形を変えた植物が現れたのではと考えられます。
 
 樹木も草本も光を確保するための形状に変化して、様々な仕組みを体の中に作っていきます。

 樹木は高いところに葉を保ち、幹でそれらの枝や葉を支えます。
 私たちが木材として利用している幹の内部は、実は死んだ細胞の塊でできているのです。
 一旦死んだ細胞で形成した内部は、しっかりと固めて殺しておいて、その幹の周りに葉からの栄養移送や、根から頂上の葉に水分を移動させる管(くだ)をへばりつかせて生きているわけです。

 従ってどちらかと言えば、十分な水分補給の確保が可能な環境は樹木の生育に適しているのです。しかし、水が少ない環境や、土壌で十分の水を蓄えられない環境になると、樹木は存在しにくくなります。


 こうなると草本植物の出番です。

 樹木が大きく成長しにくい、しかし地面まで光の到達する明るい場所ができると、わずかな水分でも耐えて成長できるイネ科の様な植物が生え始めます。
 そしてその後に続き、いろんな草本植物が樹木成長の隙間をぬって、繁殖を始めていくのです。
 進化的に言えば、樹木でいる事は、子孫を残すのに不利なため、草本へと姿形をかえて生きのびる為の適応を始めます。


 日本でおなじみのスミレ科の植物は、世界に16属850種があると言われていますが、そのうちでスミレ属が400種を占めます。
 科全体としては樹木の方が多く、南米などでは樹木のスミレがほとんどだそうです。
 むしろ日本のように、スミレの仲間のほとんどが草本からなるのはやや特殊だそうで、きっと日本にたどり着いたとき、ここは樹木の姿形では生育しにくい環境だと悟り、草本のスミレに姿形を変えて、草本スミレの仲間の天国を作ったのではないでしょうか。


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2017年11月22日 10:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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