冬芽は冬を乗り切る「命のカプセル」!

 皆さん今年の冬は例年になく寒い気がしますが、どう思いますか。

 ある研究者の発表では、地球は確実に暖かくなっていると言ってますが、私が思うに、強烈に暖かくなっている地域の分だけ、極端に寒冷化を経験する地域も増えている気がするのです。
 今日はこの寒さを乗り切る植物が身につけた知恵のお話です。


 日本は実に不思議な国です。沖縄の亜熱帯地域から九州、関西、関東の暖温帯地域、東北の冷温帯地域、そして北海道の亜寒帯地域と様々な気候帯を含んでいるため、様々な生き方をしている植物を見る事ができます。

 沖縄の亜熱帯地域では一年中緑色の葉を身につけた植物達であふれています。
 この植物たちはその昔、もっと南の地域である熱帯林の地域から、はるばる沖縄までやって来たのです。そしてもっと生息地を広げようと、さらに北へ北へと分布を移動して行いきます。

 ある時です。「はっ!」と、この植物達はとんでもない地域まで来てしまった事に気づきました。
 元の故郷は、一年中温かで幸せな気候だったのに、この温帯地域、冷温帯地域、亜寒帯地域は今まで経験した事のない、夏は汗をかく30度近く、冬は身も凍えるマイナス温度。何と生活しにくい環境か、どうしたらこの地で生活ができるのか?と考え込んでしまったのです。緑の葉っぱをいっぱいつけて楽しい生活を一年中過ごそうと思っていた植物達にとって、とんでもない環境でした。寒さで大事にしていた緑の葉っぱが次々枯れて行くのです。

 「大変だ、なんとかこの寒さをしのいで生き延びなくては!」
と、意を決した植物達は思い切った行動にでたのです。

1.一年中働いて活動するのはもうやめよう。
寒いときは暖かくなるまで眠っていよう。それが得策。

2.そのために身につけていた葉っぱを全部落として活動停止。
ただし暖かくなったときに使う新しい葉っぱをたたみ込んだ「芽」を枝の先に作り、その芽の周りに防寒着を着せ、寒さから眠っている芽を守る。
と決めたのです。

 この防寒着をつけた芽の名前を「冬芽(とうが)」と言います。
 この冬芽の表面には、固くて丈夫な鱗片という鎧が規則正しく、瓦を敷き詰めたように並んで芽を守っています。そして暖かくなっていくと、鱗片に包まれて眠っていた葉が目を覚ますにつれて一枚ずつはがれて行くのです。

 冬芽の研究で有名な広沢毅先生が『冬芽ハンドブック』(文一総合出版刊)でこう言ってます。

 「春、冬芽から葉や花が展開するさまは、まさに生命が躍動する感がある。冬芽は厳しい冬を乗り切る「命のカプセル」」『冬芽ハンドブック』 広沢 毅解説)

 皆さんも鱗片に優しく包まれ、眠っている冬芽観察に出かけてみてはいかがですか。きっと心が暖かくなりますよ。

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2018年1月24日 10:04 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

初めて知りました。冬芽(とうが)の振り仮名ででなかった。”不思議な森の不思議先生”の記事を読んで庭に出てみました・。冬は・・苦手・本当に苦手・。春を待って居る・ブルーベリー・ほころび始めた・梅・小鳥が運んできたアケビ・の冬芽を見上げて・自分は 生かされているなぁと感じました。間もなく75歳・連れ添って52年目になるけれどもう少し・もう少し・心穏やかに・いかされたいです。

Posted by: まっつん | 2018年1月24日 14:18


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